パリ進出のヘラルボニー、松田Co-CEO「障害という言葉なしで商品が買われるように」
――IPビジネスで行こうと考えたのはいつごろだったのですか。 会社を設立してから2年目あたりですかね。このころから商品が売れるようになって、toCによって熱烈なファンがぽつぽつと増えていき、そういった人が自分たちの会社で「ヘラルボニーと一緒にやりたい」と言ってくださるようになったんです。 それを受けて、私たちは「勉強会をやらせてください」とお願いして、無料で話しに行っていました。たいてい30、40人ぐらいが聞いてくれて、その中には決済権者もいたりして、toBにつながっていきました。 toCがある種のショールームになって、toBを呼び込んでくるという形ができてきた印象です。
――スタートアップワールドカップの本戦はアメリカであります。順位も気になりますが、投資家を含め、たくさんの出会いがあると思います。どんな期待がありますか。 ヘラルボニーが成長することは、色んな人たちの人権状況の改善が進むことでもあると思うんです。知的障害はこれまで光が当たってこなかったと思いますし、彼らが本当の意味で尊重されていく状態を作っていくことが世界共通の課題として大事だと思っています。その意味で、各国の色んな人と会えるのはすごく幸せです。
――事業に関する今後の目標をお聞かせください。 パリに店舗がほしいなと思います。店舗には障害とか福祉とかいう言葉は一切なく、商品そのものをすてきだと思ってくれて買われるようになってほしいです。まずは一人の作家として知られたその先に、障害についても知られていくという流れを作っていきたいと思います。
朝日新聞社