結婚するなら配偶者は年下のほうが「年金」を多くもらえてお得だよ、と上司からアドバイスを受けました。どういう意味ですか?
扶養している配偶者が年下だと、老齢厚生年金に「加給年金」が加算される場合があります。加給年金を受け取れる条件と注意点を解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
老齢厚生年金の加給年金とは
加給年金とは扶養手当のようなものです。老齢厚生年金・障害厚生年金の受給権発生当時に生計を維持する配偶者・子がいる場合に、加給年金が加算されます。 厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上あり、65歳で老齢厚生年金を受け取るとき(加給年金支給開始時点)に、生計を維持している65歳未満の妻、18歳未満の子または1・2級の障害のある20歳未満の子がいることが加給年金の支給条件です。 生計を維持しているとは、受給権者と生計を同じくしている者で、将来にわたって年収850万円以上(所得655万5000円)の収入を得られない者をいいます。 加給年金が加算される年齢に夫が達した時に、生計を維持している妻が65歳に達しているときは加算されません。夫が加給年金受給開始時点で妻が65歳以上の場合、加給年金はありませんが、「振替加算」はもらえます。
加給年金の額(令和6年度)
加給年金の額は、配偶者と1人目・2人目の子についてはそれぞれ23万4800円で、3人目以降の子は1人につき7万8300円と決められています。 晩婚で子どもが小さい場合、配偶者の分と子の分の両方をもらえる可能性があります。また、配偶者の加給年金の額には、老齢厚生年金の受給者の生年月日に応じて特別加算があります。昭和18年4月2日以後に生まれた方の特別加算額は17万3300円です。加給年金額の合計額は40万8100円です。
振替加算とは
加給年金は、老齢厚生年金に加入している方の配偶者が65歳になると打ち切りになります。その代わりに、昭和41年4月1日以前の配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」という加算が上乗せされます。 振替加算の金額は、大正15年4月2日から昭和2年4月1日生まれの方については23万4100円と最も多く、それ以後年齢が若くなるごとに減額していき、昭和41年4月2日以後生まれの方はゼロとなります。