新十両琴栄峰「ホッとした」関取初白星「先手、先手で」大関琴桜に励まされ連敗2で止める
<大相撲九州場所>◇3日目◇12日◇福岡国際センター 新十両の琴栄峰(21=佐渡ケ嶽)が、初日からの連敗を「2」で止め、関取として初白星を挙げた。立ち合いで、幕下宮城を左から張ると、相手の出足を食い止めてスパッともろ差し。そのまま一気に寄り切る快勝で場内を沸かせた。「ホッとした。1番勝って。(前日までの)2日間は、相手に先に動かれた。後手にならないよう、先手、先手でいこうと思っていた」との言葉通り、終始主導権を握って1勝2敗とした。 長く付け人を務めていた、部屋頭の大関琴桜からは連日、朝稽古で「15日間ある。しっかり自分の相撲を取れば強いんだから自信を持て」と、この日の朝も励まされてきた。琴栄峰は「いろんな人に『自信を持っていけ』と言われ、気持ちが切り替わった」と、きっかけを求めていた中で快勝し、まずは白星先行、巻き返しへ大きな白星を手にした。 足を真っすぐに高々と上げる、関取衆屈指のきれいな四股に連日、この日も観衆からは大きな拍手と「オーッ」という驚きの声があがる。それでも琴栄峰は「拍手をもらうことは気にしていない。自分のルーティンなので」と、足を上げきった頂点で一時停止できる、際立った体幹の強さも当たり前と受け止めている様子だ。 「相手は幕下なので。ただ、十両の雰囲気で勝てたのはうれしい。師匠からもらったしこ名で、栄(母校の埼玉栄高)の名も、兄(前頭琴勝峰)の名も受け継いだ名で勝てたのはうれしい。まずはしっかり、勝ち越せるように1日1番、いい相撲を取りたい」。十両の雰囲気にも慣れ、今場所、琴手計から改名した新たなしこ名としては、初めて呼び上げられた勝ち名乗りに、胸を張っていた。