幻の「1銭陶貨」、額面の70万倍にも…50万枚発見後に取引価格が急上昇
昨年8月、社員が古い倉庫を整理していた際、木箱15箱を発見。中から大量の1銭陶貨が見つかった。岩崎滋文総務部長(58)は「『残っているかも』とは思っていたが、これほど大量だとは」と驚く。
10銭も存在?
松風から連絡を受けた造幣局は、保管場所などを検討した上で譲り受け、今年10月に公表。それまでにも1銭陶貨約2000枚を所有していたが、その250倍もの量が一気に増えた。松風には、感謝状とともに100枚を贈呈。発見された50万枚を調べている。
陶貨には、造幣局も37枚しか所有しておらず、ネット上では数万円単位で取引される「10銭陶貨」も存在する。その製造も松風工業に委託したとする記録が残っており、50万枚超の中に紛れている可能性もある。
造幣局は、発見された陶貨を局内の「造幣博物館」で展示しているほか、大学や博物館など研究機関から申し入れがあれば、貸し出しや提供を検討する。担当者は「当時の製造技術などの解明がより進むのではないか」と期待する。
造幣局は来年2月16日まで、造幣博物館で特別展「造幣局と戦争I」を開催中。松風で見つかった1銭陶貨の一部が展示されている。