[MOM4937]高川学園FW大森風牙(2年)_「追いつかれても、あっせんなよ」…貴重な勝ち越し点奪った背番号10、大一番でハットの大暴れ
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [11.17 高校選手権山口県予選決勝 高川学園高 4-2 小野田工高 維新みらいふスタジアム] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 前半15分(40分ハーフ)に1-1に追いつかれてから、67秒しか経っていなかった。高川学園高は16分、FW田坂大和(3年)のパスに合わせて最終ラインの背後に抜け出したFW大森風牙(2年)が、「吹かさないように気を付けた」という右足シュートを決め、すぐさま勝ち越し。同点ゴールに沸く会場のどよめきが収まらないうちに、再びリードを奪った。 殊勲のヒーローが直後に見せたのは、左手の親指と人差し指で左眼を大きく広げるゴールパフォーマンス。プロレスラー・内藤哲也の『トランキーロ あっせんなよ』のパフォーマンスだ。プロレス好きの父の影響でファンになった内藤の代名詞を披露して「やってやろうと思っていた」と笑顔。まさに『追いつかれても、あっせんなよ』とばかりに決めたゴールだった。 後半9分に左からのセンタリングを左足ボレーで合わせ、3-1とする自身2点目を決めると、3-2で迎えた後半アディショナルタイムの40+4分にも、右からのパスをゴール前で合わせてハットトリックを達成した。一方で、前半28分に1対1となったGKをドリブルでかわした決定機は、戻ってきたDFにシュートブロックされ、後半13分にはCKを味方が頭でフリックしたボールをヘッドで合わせるも、GKのセーブに遭い、「もっと早く3点を取りたかった」との反省点も残った。 江本孝監督が「ダイナミックだし、今日のようにダイレクトでシュートを打てる場所に入れるようになってきた」と評するストライカーは、石川県のパテオFC出身。2021年度の第100回高校選手権で地元の星稜高と高川学園が対戦した1回戦をクラブ全員で見に行き、「高川学園のサッカーの面白さに惹かれて、行きたいと思った」ことが入学のきっかけだった。 この試合の先制点は、のちに動画が拡散して世界規模で話題を集めた『トルメンタ』から生まれている。高川学園の名前も大きく広めた一戦を見た中学2年生が、3年後にチームを同じ舞台へと導くことになった。 高川学園に来て「フォワードとしての責任感、心の部分を特に鍛えられた」と感謝する背番号10が、次に見据えるのは全国での活躍。「走って前から守備をしてボールを奪い、得点王になりたい」と力強く意気込みを語った。 (取材・文 石倉利英)