立憲民主党は代表選を通じて信頼を回復できるのか?(記者解説)
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 2024年9月1日に公開された動画のテーマは「立憲民主党代表選 アノ人も出馬表明 展望は?」 立憲民主党の代表選も、続々と立候補に名乗りを上げようとする人々が出ています。その代表選の争点は?自民党総裁選の影響は?現役政治記者の産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と、朝日新聞の前政治部長の林尚行氏のお2人が、民主党政権からの流れを整理しつつポイントを解説。総選挙に向けて要チェックです! 【このトピックのポイント】 ・立憲民主党代表選、立候補者は3、4人?構図は? ・自民総裁選はどう影響する? ・勝敗の行方は?キャラが立っているのに読みにくい理由とは
立候補者は3ないし4人?どんな構図になる?
9月7日告示、9月23日に投開票の立憲民主党代表選、続々と立候補を予定される方のお名前が上がっています。 収録日(8/29)時点で、立候補が取り沙汰される候補者はこちらです。 ズバリ、何人が立候補するでしょう。 水内茂幸氏は、すでに会見された枝野氏、野田氏に加え、「現代表の泉氏については、立候補できる土俵はできるのではないか」とコメントします。 林尚行氏「ここに挙げられた人から聞いたところ、3ないし4人なのではないかと。当事者たちもそう見てるということになります」 どんな方が候補に上がるでしょう。まずは女性から。 水内氏は「立憲民主党は女性を大事にする政党であり、女性が立候補できるかどうかがポイント。出させるというところもあるかもしれない」と語ります。 女性候補については、林氏が「時間がないので(名前が上がっている)西村氏、吉田氏のどちらかと思う」とコメント。 林氏「(国会議員)20人集めるの、自民党より大変なんですよ」 国会議員数から見ると5人、10人あたりが妥当ではないかという声の中、20人を集めるのは大変なことだとコメントします。 立憲民主党にも、自民党の派閥のような「グループ」があります。投票はグループ単位での動きなんですか? 水内氏「立憲民主党では派閥はありませんが、掛け持ちOKのグループがあります。そのグループをベースにした推薦人集めが行われています。 野田氏のところに、かつて水と油の関係だった小沢一郎氏の接近があったり、重徳和彦氏ら「直諫の会」も参加、野田氏自身も「花斉会」というグループを、枝野氏は「サンクチュアリ」の顧問を務めている」 林氏「派閥はないけれど、グループがあり、ベースになっている。グループが小さい場合は合従連衡を重ねる」 野田氏の出馬表明会見を取材したという水内氏は、立憲民主党代表選に厳しいエールを送ります。 水内氏「立憲民主党こそ、政権奪取できない、失われた12年だなと思っていて。旧民主党政権で失った信頼と不信感って、世の中の人、まったく払拭できていないと思うんですよ。それを払拭するための戦いだと思うんです」 水内氏「子ども手当、高速道路無償化など、明言したけれど出来なかったことに対する不信感はどう払拭するか。野田氏は出来る道筋を示したつもり。自民党政権では考えられない政策を出したことに意義があるとおっしゃったが、できなかったじゃないかという部分、これから論戦になるが深掘りしてほしい。政策の実現を裏付けできるかも問われる」 林氏は民主党代表時代の小沢一郎氏の番記者経験もあります。いまの代表選の状況を見ていて? 林氏「第一次安倍政権と戦って勝っていく右肩上がりの民主党を見ていたので、この間の立憲民主党の体たらくは非常に残念だし、寂しい思いがある。野党は健全な強さをもって争ってほしい」 林氏は、「安倍氏の一強時代に野党が育ってこなかった」と振り返り、野田氏が「昔の顔で」と自虐的に言わなければいけない状況になっていると指摘します。 林氏「昔の顔の人が、新しい価値観の政策を、政権を担えるという裏打ちを示すチャンスだと思う」 今回の代表選で立候補が予想される3ないし4という数字は、野党第一党の党首を選ぶには、議論も深まる数字だと語ります。 林氏「きちんと議論して、政権党たり得るという希望を見せてくれるチャンス」