手動計時ながら、5000mで自己ベスト大幅更新 名城大の駅伝連覇阻止へ、立命館大・太田咲雪「これを自信に」
6月15日にあった2024日本学生陸上競技個人選手権の女子5000mで、立命館大学の太田咲雪(2年、立命館宇治)が15分47秒1をマークし、日本選手トップとなる2位に入った。写真判定機不具合の影響で手動計時になったとは言え、16分台だった自己ベストを大幅に更新した。 【写真】ラスト1周で切れ味鋭いスパートを披露し、日本選手トップでゴールした太田
ラスト1周で切れ味鋭いスパート
レースには21選手が出場。スタート直後は今年3月の日本学生女子ハーフマラソンを制した大東文化大学の野田真理耶(2年、北九州市立)が引っ張る形となり、太田は集団の真ん中付近についた。最初の1周を73秒で入るハイペースの中、2周目で大会記録を持つ大東文化大のサラ・ワンジル(2年、帝京長岡)が先頭に。2番手には立命館大の主将を務め、5月の関西学生陸上競技対校選手権(関西インカレ)で5000mと10000mの「二冠」を果たした村松灯(4年、立命館宇治)。最初の1000mを3分08で通過した。 15分台をめざせるペースで進み、1300mあたりから先頭集団は13人に。その集団も徐々に縦長になった。2000mにかけての1000mを3分09秒で通過すると、太田は7人に絞られた先頭集団の7番手にいた。 3000m手前で、さらに集団がばらけた。ワンジルと野田の2人が抜け出し、この1000mは3分08秒。2、30mほど離れたところに村松や東北福祉大学の村山愛美沙(2年、十日町)、城西大学の石川苺(2年、旭川龍谷)、太田と続いた。「大東の選手が前に出たときは、最初見えなくて、結構離れていっちゃうかなと思いました」と太田。それでも村山の後ろにぴたりとつけ、懸命に前を追うと「思ったより差が開いていなくて、後半はだんだん近づいてきたので、『上の順位を狙おう』と思いながら走っていました」。実際に先頭のペースが4000mにかけて3分13秒に落ちると、残り1000mの時点で野田の背中が大きくなってきた。 残り2周手前で、2位集団が野田を吸収。太田はラスト1周の鐘が鳴ったところでスパートをかけた。「自分の中でも、すごくきついんですけど、ここで仕掛けたら周りの選手を引き離せると思いました。スパートはまだ得意と言えるか分からないんですけど……」。謙虚に振り返った太田だが、村山と野田の追随を許さず、ワンジルに続く全体2位でゴールした。