安井建築設計事務所が100周年の記念に「まちなか展」開催。東京・大阪それぞれを代表する名建築、サントリーホールや大阪倶楽部などが見学できる!
大阪、東京の会場となる建築はどんなもの?楽しみ方や見どころは?
さて、数ある同社設計の建築から、どういった基準でそれぞれ5つを選んだのだろう? 同社の歴史は古く、創業者である安井武雄の代表作といえる「大阪倶楽部」、御堂筋のランドマーク「大阪ガスビルティング」など大阪でよく知られたものも多い。また、駅として、あるいは病院や劇場として利用するなど、大阪の人たちに親しまれている建築という趣旨で、大阪会場は設定された。 一方、東京会場は、「まちにひらく」というコンセプトの下、建物自体にオープンなスペースがあるものを会場として選んだという。たとえば、日大芸術学部の江古田キャンパスには、入口付近に誰もが入れるガラス張りのギャラリーホールがあって、まちとつながっている。こうした建築をピックアップしている。 次に、「まちなか展」の楽しみ方を聞いた。建築の知識がない一般の人は、どうやって楽しめばよいのだろう? それぞれの会場には、設計者がこの建築はここにこだわっているといった説明をしたパネルを展示する予定で、それらの展示を見ることで建物の理解を深めることができるという。さらに、一部については設計者などによる解説付きツアーも開催される。募集人数が少ないので、運が良ければ(?)建築裏話を直接聞けるかもしれない(大阪会場は一部で募集終了)。 また、ポストカードをつくって希望する来場者に渡す予定なので、それを集めるという楽しみ方もあるという。スタンプラリーならぬ、ポストカードラリーだ。子どもたちでも楽しめそうだ。 さらに、東京会場の見どころをいくつか挙げてもらった。 まずは拠点となる、同社東京事務所「美土代クリエイティブ特区」。ここは、社内コンペで採用された設計案を基に、社員の意見などを反映したオフィスになっている。1階は「まちとつながりながら、私たちも自らやりたいことを実践する場所」、2・3階は「自ら働き方を組み立てる場所」で、特徴的な吹き抜け階段でつながっている。 たとえば、固定席ではなく完全なフリーアドレスにして、集中したいとき、メンバーで図面を広げたいときなどでそれぞれのスペースを臨機応変に選べたり、大きなキッチンで皆で昼ご飯をつくって食べたり、広い空間で講演会をしたりといった使われ方をしている。こうした設計上の考え方を実際に見て確認するとよいだろう。