アメリカの話し方教室では「あいづち」を重視する 現地の学生が通うスクールの授業内容とは?
なのでそのテーマについて今まで15年以上教えているレッスンで培ったノウハウや自分が作ったメソッドでみんなに役立つことを書きました」と丁寧に伝えたとしましょう。 そのとき、相手が「つまり、人に好かれる話し方の本なんですね」とまとめてこたえるのが要約あいづちです。また、相手がうまく言語化できていなかったニュアンスをキーワードとして示すことができると、より一層、相手はあなたを信頼してくれます。 たとえば、相手が、「僕はめったに旅行をしないんですよ。趣味が合うというか動機が似ているというか、そんな人から誘われれば行くかもしれませんが」と語ったのを受けて、「なるほど、つまり“気の合う人”がいれば旅行をするかもしれないということですか?」と新たなキーワードを提供することで、「ああ、そうそう、“気の合う人”がいれば行くんですよ。そういうことです」と相手は自分のことを理解された上に自分の曖昧だった気持ちをズバリ言語化してくれたことに対して「この人は私の気持ちがわかっているな」と信頼感を持ってくれます。
しかし、要約あいづちは、相手の気持ちを的確に代弁できていないとかえって失望される可能性もあるため、「この解釈で正しいはずだ」と決めつけるのではなく質問形式にすると、もし間違えていても相手に嫌な思いをさせることは少ないでしょう。 また要約に自信がないときは「もしかして〇〇ということですか?」「失礼だったらすみません、〇〇というふうに聞こえますが合ってますか?」と言い方を工夫しましょう。 たとえば、前例のように「気の合う人がいれば旅行に行ってもいい」と要約すべきところで解釈を間違えて、「つまり、“誘われなければ”旅行に行かないということですね?」とズレた要約をしてしまうと、「そんな言い方されたら、私が誰にも誘われないのですねているみたいじゃないですか」と反感を持たれてしまうかもしれません。