サーフミュージックを築いたジャック・ジョンソン「今はパーフェクトな波に乗れているよ」
流れるようなスマートさで道を切り開いたジミ・ヘンドリックスはクールだね
── 音楽活動を開始して20年以上が経過。キャリアを通じて、得たもの、なくしたものは? ジャック 以前は、ステージで人前に立つと心臓の鼓動が早くなって、ずっと緊張していた。でも今は、バンドメンバーと顔を見合わせることができるくらい余裕をもって演奏できるし、落ち着いていられるんだ。 緊張感から得られるエネルギーも、それはそれでよいものなんだけどね。特に最初のうちは、新しい顔ぶれと経験を分かちあう興奮がある。でも今はよい意味で、波が20フィートから4~6フィートになったように、興奮というよりも、今この瞬間、この場所で活動できていることに感謝できるようになっているんだ。 ── もうすぐ50代に。今後のライフプランは? ジャック まだ50じゃないよ(笑)! もうすぐ49だから50まではまだまだ(笑)。でも、現実はすぐ50代に突入するわけだけど、これといってライフプランがあったり、何かを変えたいとは思わないんだよね。ただ音楽を作り続け、僕が人々に提供できるものを提供して、コクアの仕事を続けたい。 音楽から得られる注目に執着しすぎると、作品が衰退していく。もしくは音楽への関心が薄れてしまった時に不健康になりかねないから、音楽とそれ以外のバランスをとりながら楽しむのは大切だと思う。僕の音楽を聴きにきてくれる皆んなからは、いつもエネルギーを与えてもらっているよ。 ── 最後に。あなたの思う、カッコいい人とは? ジャック ミュージシャンのジミ・ヘンドリックスとサーファーのトム・カレン。子どもの頃はずっとトム・カレンになりたいと思っていたんだ。サーフ界のボブ・マーリーみたいな感じで、すごくカッコよく見えた。どんな波が来ても彼が微調整するだけで、すぐに自分の世界に変えてしまう。あの常に流れているようなサーフィンスタイルが好きで。 ジミ・ヘンドリックスも音楽で同じようなことをしていた。彼らのカッコよさは、サーフボードとギターで常に流れるようなスマートさで、道を切り開いてきたこと。ジミ・ヘンドリックスはワイルドで知られていたけれど、僕の中では、バランスを保つために即興で調整し、流れに乗る技をもっている部分がクールだと思うんだ。 ── ジャックの生み出す音楽を含めたカルチャーにも、クールさやスピリットが宿っていると思いますよ。 ジャック ありがとう! ── では、日本で会えるのを楽しみにしています。 ジャック 僕も楽しみにしているよ。キヲツケテ。またね。