トランプ氏、政治危機のカナダ首相揺さぶる…「韓国が次のターゲットの可能性」
トランプ次期米大統領がカナダを揺さぶっている。連日カナダのトルドー首相を「州知事」と呼びながら「カナダが米国の51番目の州となるのが良い」とからかっているが、このために政治的危機に陥ったトルドー首相の立場をさらに弱めさせている。 これと関連してCNNはトランプ氏の次のターゲットはトルドー首相のように国家指導者の政治的存在感が弱まった韓国をはじめドイツやフランスなどになる可能性があるとの見通しを出した。 ◇「交渉の達人」トランプ氏…トルドー氏揺さぶる トランプ氏は18日、自身のソーシャルメディア(SNS)に「多くのカナダ人はカナダが(米国の)51番目の州になることを望む。彼らの税金と軍事保護費用を大きく節約できるすごいアイデア」と投稿した。 トランプ氏は先月25日に不法移民と麻薬流入を理由に突然カナダからの輸入品に25%の関税を課すと話した。するとトルドー首相はフロリダ州マールアラーゴを訪れてトランプ氏と会った後、数百万ドルを国境警備に投じるとして事実上頭を下げた。 しかしトランプ氏に屈服したトルドー首相の立場はさらに弱まった。側近であるフリーランド副首相兼財務相が16日にトルドー首相の対応を批判して辞任してしまったためだ。フリーランド副首相は第1次トランプ政権当時に米国としばしば衝突した人物だ。 トランプ氏はフリーランド副首相の辞任を機会にしてトルドー首相をさらに揺さぶっている。彼はSNSに「フリーランドの行動は毒であり、彼女は懐かしくならないだろう」と書いた。そしてトルドー首相のマールアラーゴ訪問直後に続きこの日再び「カナダは51番目の州」と投稿した。 もしトルドー首相が辞任することになる場合、トランプ氏が好む「保守的ポピュリスト」と呼ばれる保守党のピエール・ポワリエーブル党首が次期首相になる可能性がある。 ◇仏独はリーダーシップ「危機」…韓国はリーダーシップ「空白」 CNNはこの日、「トランプ氏の視線がカナダとメキシコに注がれているが、就任後に他の『不公正な貿易関係』に目を向けるだろう。トランプ氏が同盟国の内政にためらいなく踏み込んだ点はフランス、ドイツ、韓国など政争に苦しめられている他国の政府も警戒しなければならない」と指摘した。韓国を含む3カ国がトランプ氏の次の「餌食」になりかねないという意味だ。 現在のフランスのマクロン大統領は慣例を破り第1党である左派連合から首相を任命せず62年ぶりに不信任案が可決され政治的危機に陥っている。ドイツのショルツ首相も16日の議会で不信任され予定より7カ月前倒しされた来年2月の選挙を控えている。 韓国の状況はもっと深刻だ。非常戒厳を宣言した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は14日に弾劾訴追案が国会で可決され業務から排除された状態だ。憲法裁判所の決定が出るまで韓悳洙(ハン・ドクス)首相の代行体制で運営され、場合によっては早期に大統領選挙が行われる可能性もある。 トランプ氏はこれまで非常戒厳と弾劾案可決に対して何も言及していない。16日にマールアラーゴリゾートで行った記者会見で中国の習近平国家主席、日本の石破茂首相、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長まで取り上げたが韓国に対する言及はなかった。すでに指名された駐中・駐日米国大使と違い駐韓大使については下馬評も出ていない。 CNNはこれと関連し「トランプ氏は数十年間積み重ねてき同盟を無視するため友好国は彼が執権すれば米国と正常な関係を管理するのが難しくなりかねない。このような姿勢は2度目の任期でさらに目立ったものになるのはほぼ確実だ」と予想した。