感染リスク下げ会食を楽しむには? 分科会・尾身会長が提案
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)が23日、記者会見し、飲酒を伴う懇親会でクラスターの発生が多く報告されていると説明したうえで「感染リスクを下げながら会食を楽しむにはどんな工夫をすればいいか」と語り、感染リスクを低下させる方法をいくつか提案した。
まず尾身会長が強調したのが「少人数で短時間」という点だ。特に飲酒を伴う際には気分が高揚し、注意力が低下するなどリスクを高める要素が付きまとう。そのため「深酒、はしご酒は控えて、酒を飲む場合は適度な酒量で」と呼び掛けた。 家族など、「普段一緒にいる人」と会食することも、たまたま会ったほかのグループと飲むよりかリスクが低いという。箸やコップを回して使うこともリスクを高めるため、回避するよう語った。体調が悪い人は、そもそも会食に参加しないよう求めた。 会食での位置関係も重要なポイントだという。真正面や真横よりも、「座席の位置は斜め向かい(に座ることが)が感染リスクを下げられることが分かってきた」と説明した。 また、会話するときにはマスクを着用することも忘れてはならない。最近では、フェイスシールドやマウスシールドを使用する人もいる。尾身会長はシールドについて「一部効果はあると思う」と語る一方、「研究が進行中で最終的にサイエンスとして確定したわけではないが、文献などを総合するとフェイスシールド、マウスシールドはマスクに比べ、効果が少ない・弱い」と指摘した。 尾身会長は、換気が適切になされているなど、業種ごとのガイドラインを遵守し、感染対策を工夫している店舗を選ぶことも大切だと語った。ある飲食店では、客同士の間隔を一定程度確保するなどガイドライン順守が徹底されていたため、従業員で感染者が出たものの、100人を超える利用者から感染者は出なかったのだという。 同会長は最後に、手洗いや、マスク着用などは会食の場に行く・行かないを問わず続けることを求めた。接触確認アプリ「COCOA」のダウンロードも「やっていただきたい」と語った。