【都知事選を100倍楽しむ方法①】総投票数は約600万票、AKB世界選抜選挙を超える巨大選挙で勝ち抜く候補者とは
■ 都知事選の出馬表明は「後出しジャンケン」がベストか? 【都知事選の楽しみ方(2):後出しジャンケン小池さんの出馬タイミング】 本来ならば、自身の名前を有権者に深く広く浸透させるために1日でも早く活動を開始したいのが地方選挙。しかし都知事選は、すでに圧倒的な知名度を持つ著名人が「メディア上での盛り上がりを利用して共感度を一気に上げる」レースというのが特徴である。 都知事選の出馬表明はしばしば「後出しジャンケン」が有利だと言われる。著名な新人挑戦者が、出馬ネタを引っ張って引っ張って出るのか出ないのか焦らしながら告示日間際にシンガリ登場でドン! が、テレビウケが良いのは確かだ。だが、大半の選挙ではこんなことは考えられない。 6月1日現在、現職の小池百合子都知事は出馬を正式には発表していないが、長い間噂されてきた国政復帰の目処が立たない今、都知事選挙に出馬するのは間違いないだろう。 「出馬宣言がされない!」という声も聞かれるが、これについては現職である以上、都議会定例会中にどの党の誰の質問への答弁で宣言するのかという議会との答弁調整があったり、それともド派手に自ら場を設けることもできたりする。 5月29日~6月冒頭に出馬宣言を行うという情報もあったが、このあたり余裕を持ちながら焦らずタイミングを見計らっていると思われる。 実は、有権者が投票先を決めるタイミングというのは属性クラスターごとに把握されていて、戦略の重要なファクターとなっている。なので、必ず遅ければ遅いほどいいかというと、そういう訳でもない。 2016年の都知事選の直前の状況を振り返ってみる。 ■ 自民党の推薦候補を知ったのは告示日の数日前 2016年夏は、第24回参議院議員選挙(6月22日公示、7月10日投開票)に引き続き、舛添要一都知事の辞職に伴う東京都知事選挙が7月14日告示、7月31日投票日で設定されていた。 小池百合子自民党衆議院議員(当時)は、自民党東京都連に都知事選出馬に際しての推薦願いを提出したが認められず、参院選の最中の6月29日、出馬宣言の記者会見を行った。 参院選最終日の7月9日の豊洲ビバホーム前の安倍総裁遊説と秋葉原駅前最終街頭演説にはどちらも自民党国会議員の立場として小池さんは来場されていたが、結果、独自での出馬となった。 一方で自民党は推薦候補擁立がなかなか決まらないと引っ張り、直前の参院選で遊説の現場に朝から晩までいた私も、元総務大臣の増田寛也さんを丸抱えでいくと聞いたのは告示日のわずか数日前だった。 だが、準備のため急ぎ呼び出された時にはもう刷り上がったポスターが仕上がっていたので、ある程度、周到に手配されていたのだろう。 最終後出しジャンケンの出馬であったが、結果は自公推薦・増田寛也さんの惨敗であった。