ワイヤレスは高音質じゃない。その認識を改めるには充分すぎるスピーカー
ワイヤレスへの甘えは一切無し
スピーカーの構造についても簡単にみていきましょう。公式サイトの説明がめちゃくちゃ詳しいので、こちらもぜひ(読み物として面白い)。 良い音を生み出すために障害となるものは多々ありますが、いらぬ振動やノイズは極力抑えたいものです。「SC-CX700」はスピーカー部とコンポーネントのあいだに厚みのあるMDF材(木質ボード)を挟み、さらに空気層もかませたセパレート構造を採用。スピーカー側の振動をアンプ側に伝わらないようにする仕組みです。 また、スピーカーの内部には吸音材が使われるのが一般的。この吸音材はエンクロージャー内の定在波を取り除くためなのですが、圧力分布解析に基づいた開口位置の調整により「SC-CX700」は吸音材レスを実現。まさに最新のスピーカーって感じの攻め方で、興奮しますねぇ…! 新開発のリングツィーター搭載の同軸ユニットを採用。波面解析に基づいた形状になっており、不要残響音が少ないのが特徴です。振動板についてはその動きをモデル化し、流れてくる信号に応じた「理想的な波形に対して足りない動き」をリアルタイムに補正するMBDC技術を搭載。DSPを搭載できるアクティブスピーカーならではの考え方ですね。
リビングをライブバーの客席に変えてしまう
では、いよいよ肝心の聴き応えについて。 実際にピアノを弾いたときに感じる高域の震え、あれを耳に感じたのには驚きました。女性ボーカルについても、耳がゾワゾワするような眼の前感がある。自宅ではまぁ聞けないであろうリアルな演奏がそこにあり、「このスピーカーが家にあったら毎日コレが聞けるの?マジ?」と思いましたね…。 NAS経由のデジタル音源と、アナログレコードによるアナログ音源の2種類を試聴しましたが、どちらも極上。デジタル音源は全部の音がスパっと視える感じがあり、レコードの音は高域成分が丸められたウォーミーな印象でした。 それぞれ違いこそ感じたものの、優劣の話ではない。なんならどちらの音も再生できる「SC-CX700」の懐の広さを称えるべきでしょう。 ちなみに、レコードはコスパに優れたターンテーブルとして名高い「SL-1500C」で再生されていました。「SC-CX700」と一緒に買っても、50万円でお釣りが来るラインです。アンプやスピーカーをゼロから用意するコストを考えると、なんだかとってもお値打ちに感じてしまうのは気のせいでしょうか。 なんならHDMIに繋いでおけばサウンドバーとしても使えるし、スマホを繋げばカジュアルなワイヤレススピーカーとしても使える。あれ、まさかのコスパでも優秀ってやつ? 35万円が!?