トマトを手で潰してTV局からストップも!?平野レミさんに聞く、料理を楽しくする考え方
失敗をすると「探求心」が湧いてくる
小竹:レミさんは、失敗はあまり気にせずに料理にチャレンジしている感じですか? 平野:失敗しても諦めないね。私は失敗したら「なんでこうなるの?」と思って探求心が湧いちゃうの。料理は「なぜ?どうして?」という気持ちを持つことでどんどん上手になるのよね。 小竹:最近も何か探求したものはありましたか? 平野:最近は新しい料理本を作ることに力を入れてたの。 小竹:『平野レミの自炊ごはん』ですね。
平野:そう。それ以外で最近作った面白いのだと、そうめんの料理ね。そうめんを1束ぎゅっと握ったまま、下から1cmくらいのところに、小麦粉に水を少し入れてドロドロにしたものをくっつけるの。 小竹:うんうん。 平野:しっかりとくっつけたら、そのまま1cmくらい油を入れたフライパンの中に入れるの。そうすると、ふわーっと広がるのよ。扇子みたいになるのよ。 小竹:扇形に広がるんですね。 平野:小麦粉をつけた1cmくらいのところはカチカチになって、上がバーって広がるから、それをサラダの上に立てる。そして両側からバリバリバリと崩して全部を一緒にすると、ものすごくおいしいのよ。 小竹:これはどうやって思いついたのですか? 平野:お正月に息子家族がみんな家に集まるんだけど、おせちとかを食べたら帰っちゃうの。みんなが帰ってお正月から1人になっちゃって、つまんないしどうしようかなと思って…。 小竹:ちょっと寂しいですよね。 平野:テレビで料理も作らなきゃいけないしって考えた時そうめんがあったから、そうめんで何かを作ろうと思って考え出したの。 小竹:レミさんの料理の説明を聞くと、すごくおいしそうなのが伝わってきます。 平野:よかった。その扇形に広がったサラダをおつまみにするのもいいのよ。そうめんには塩が少し入ってるからそのままパリパリ食べてもいいし、子供のおやつにもいいわよ。
家族の絆は“ベロシップ”で繋いでいく
小竹:ちなみに、レミさんが初めて作った料理は何ですか? 平野:さっき言った、庭にあったトマトとピーマンとうどんで作ったグラタン。真っ白なグラタンがトマトがぐちょぐちょになって真っ赤になるんだけど、それをチーズと一緒に食べると本当においしいの。 小竹:レミさんはトマトを手でギュッと潰しますよね(笑)。 平野:NHKの『きょうの料理』でやったときに、「ああいうことはやらないでください」って言われたけど、私は昔から手で潰してたから「これでやりたいと思います」って言ってやめなかったのよ(笑)。 小竹:えー、すごい。 平野:だから、私のことはもう使ってくれないかと思ってたら、読売新聞に新人の平野レミさんという方のトマトの潰し方とか料理の仕方がとてもユニークで、すごく楽しく料理をしているって書かれてたの。そしたらNHKが続けて使ってくれることになったのよ。 小竹:私はあのトマトを潰す料理が大好きで何回も作っています。調味料も塩をかけるだけで簡単でおいしくて、うちの子どもは野菜があまり好きじゃないのですが、あれはよく食べるんです。 平野:あれをパンにのっけたり、ご飯にのっけたり、パスタにのっけたりしてもいいわよ。 小竹:あと、ちょっとのせるサワークリームとバジルが最高で。 平野:ボルシチのようになるのよね。あれは実家伝来で、うちのおじいさんが昔から作ってた料理なの。うちの父親がずっと食べてたし、母が作って、私が作って、息子が嫁たちに教えてって感じで、嫁の子どもも食べてるから5代も続いてるの。 小竹:それはすごい料理ですね。