東京、神社のうまい「年越しそば」究極の一杯…《浅草寺・池上本門寺・川崎大師》味わい深い一品を大公開
年末、年始は何かと神社・仏閣に足を運ぶ時期。そして参拝を終えたら、おいしい蕎麦をぜひ!胃に心に、"おいしくて大満足"というご利益ももたらしてくれます。今回は浅草寺・池上本門寺・川崎大師周辺の蕎麦店をご紹介します。 【写真】鴨どっさり…東京の神社でいただく「年越しそば」
浅草・浅草寺『丹想庵健次郎』
蕎麦を啜った瞬間、上品な蕎麦の香りがふわり。心地よい弾力のそれを咀嚼すればさらに香りがあふれ、ただただうっとり。口福の時間が訪れる。 同店で使用するのは主に秋田県産の蕎麦。かえしは半年以上熟成をさせたもので、ダシは本枯節のみ。全て香りとのど越しの両立にこだわる蕎麦のためだ。そのこだわりは蕎麦前にも発揮され、鮮魚や鴨料理、天ぷらといったものはもちろん、佃煮などちょいとしたものまで、どれもが旨く、酒が進んで仕方ない。 「うちは回転率が悪くて」と店主・鈴木さん。しかしそれは蕎麦前から蕎麦まで、お客さんがしっかり楽しんでいる証拠。その顔はどこかうれしそうだ。
『手打蕎麦おざわ』
かつて見たことのない恐るべし太打ち。幅1cm、厚みは3mm ほどだろうか。通常の蕎麦のように啜れないので何度ももぐもぐ噛んでいると、蕎麦の香りや味わいがじゅわ~と広がるのだ。 十割で打つが、丸抜きから石臼で異なる粗さに挽いたものを日々の水分量によって組み合わせるという。「常連さんの"もっと太く!"というリクエストに応えていたら今の太さになったんです」と笑う店主・小澤さん。 おすすめの塩で味わうとグッと旨みが増して、お酒のつまみにもなる。こっくりとした甘めのツユをタレのように付けて味わうのもいい。ここでは、まず蕎麦前的にお酒とともに太打ちを楽しみ、粗挽きや細打ちで締めるのがおすすめだ。
■ 最も歴史を誇る寺院
開創約1400年という、東京で最も歴史を誇る寺院。ご本尊は絶対秘仏の聖観世音菩薩で、諸願成就の御利益があるとされている。常香爐の煙をいただいて無病息災を願う人も多い。
池上本門寺『十割そば 古賀 池上店』
噛み締めればぶわんと力強い蕎麦の香り。手繰ればすべるのど越し。ふたつの特長を十割でバランスよく仕上げた味は、蕎麦鑑定士である店主が研究を重ねて完成させたものだ。 蕎麦粉は石臼挽きの自家製粉。季節ごとに厳選した国産の丸抜きに玄蕎麦の挽きぐるみを加えて星を散らし、あえて若干のざらつきを与えることで十割らしい食感を表現した。 冷も温も、抹茶蕎麦以外は全て十割。その魅力を存分に楽しんでほしいと、ツユも主張し過ぎない澄んだ色味にしているのだそう。親子丼など丼物やセット物、季節の味など飽きさせないメニュー構成は常連客にご近所さんも多いから。地元で愛されている証ですな。