非鉄製錬8社の24年度下期地金生産計画、電気銅5.5%増・77万9000トン。通期では銅・亜鉛増産
大手非鉄製錬メーカー8社の2024年度下期(10~3月)の地金生産計画が出そろった。電気銅は6社合計で前年同期比5・5%増の77万9千トンとなる見通し。前年同期にJX金属製錬・日立事業所(茨城県)での改修工事や住友金属鉱山・東予工場(愛媛県)で定修があった反動などから増産となる。亜鉛は3社合計で同2・7%増の25万3千トン、鉛は4社合計で同0・9%減の9万9千トンとなる見込み。一方、24年度(上期見込みと下期計画の合計)は、電気銅が158万7千トン(前年度比4・4%増)と高水準の計画。亜鉛は47万6千トン(同4・3%増)、鉛は19万7千トン(同0・3%減)となる見込み。 電気銅の下期生産計画のうち、国内最大手のパンパシフィック・カッパー(PPC)は、JX金属製錬が増産を計画し、日比共同製錬(岡山県)も前年同期並みの生産を計画。住友金属鉱山は東予工場で前年に定修があった反動で2割の増産となる見込み。 一方、三菱マテリアルは小名浜製錬所(福島県)が増産となるが、直島製錬所(香川県)が炉修のために減産となり、全体では減産を計画。古河機械金属、日鉄鉱業も前年同期比で微減を見込む。 年間では三菱マテリアル、DOWAホールディングス、古河機械金属、日鉄鉱業の4社が減産見通しだが、PPCと住友金属鉱山が増産となるため、全体では前年を上回る見込み。 亜鉛の下期生産計画は、亜鉛トップの三井金属が増産計画となり、DOWAも3月に秋田製錬(秋田県)を完全子会社化した影響で前年同期比2桁の増産となる見込み。東邦亜鉛は八戸製錬(青森県)との製錬委託契約が5月末で終了したことに加え、生産調整を実施する影響で減産を計画。 年間では、三井金属が微増、DOWAは前年比2割の増産、東邦亜鉛は同2割超の減産となる見込み。 鉛の下期生産計画は、最大手の東邦亜鉛が増産を計画するが、他3社が減産を計画し、全体では微減となる見込み。年間では東邦亜鉛と三菱マテリアルが増産を計画、三井金属とDOWAは減産となる見込み。