技術の進化がもたらす恩恵から紐解くザ・ノース・フェイスの鉄板アウター4選【THE NORTH FACEの現在地】
57年間にわたるブランドの歴史の中で、定番として愛され続けてきた鉄板アウター4種。ここでは各々の最新モデルと、優れた機能性を生み出す根幹たるテクノロジーを紐解く。 【細部の画像を見る】
【Brewed Protein】
2015年から始動した、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャー企業、スパイバーとの共同研究開発により誕生した構造タンパク質素材。植物由来の糖類を原材料に、微生物の発酵プロセスによって生産される同素材は、アパレル分野における脱マイクロプラスチック・脱アニマルのニーズや輸送分野における軽量化のニーズに応える大きな可能性を秘めており、持続可能な社会の発展に寄与する次世代の素材として、期待が寄せられている。
▼サステナブルな新素材が定番の新たな可能性を引き出す
THE NORTH FACE 「O NUPTSE JACKET(オービット ヌプシジャケット)」(11万円) 1992年に、エクスペディション(登山や探検を目的とする遠征隊)向けとして開発された「ヌプシジャケット」をベースに開発。表地には新素材のBrewed Proteinに、ウールと植物由来のバイオナイロンをブレンドした生地を採用。中わたには、不純物などを限りなく取り除いたリサイクルダウンを封入したサステナブルな1着。日本限定でリリース。
【GORE-TEX products 2層構造】
世界中で防水・透湿素材の代名詞として圧倒的支持を得ているGORE-TEX素材の中でも、表生地+防水透湿性メンブレンと、裏生地をセパレートした2層構造のタイプ。メンブレンと裏生地を離して隙間を作ることにより熱の気密性が高く、優れた防寒性を発揮する。これにダウンなどの中わたを封入することで、さらに効果を高めることも叶う。スキーや釣りなどのアクティビティのウエアだけでなく、タウンユースのウエアでも多く採用されている。
▼GORE-TEXとダウンの最強コンビネーション
THE NORTH FACE 「Mountain Down Jacket(マウンテンダウンジャケット)」(7万4000円) 特徴的な切り替えが示すように、アウターシェルの最高峰に君臨してきた「マウンテンジャケット」にダウンを封入するというアイデアを具現化した本モデル。初登場は2017年で人気の高さからのちに定番化。70デニールのGORE-TEX 2層構造と、汚れやホコリを徹底的に除去したクリーンなダウンが生む高い保温性による防寒性は敵なし。