技術の進化がもたらす恩恵から紐解くザ・ノース・フェイスの鉄板アウター4選【THE NORTH FACEの現在地】
【PERTEX Quantum/CLEANDOWN】
20デニール以下という世界最軽量クラスの極細糸を高密度に織り上げて、まるで鳥の羽のようなしなやかさと軽量性を実現させた素材がPERTEX Quantum。引裂強度と縫い目強度にも優れ、後加工をせずともダウンの抜けを防ぐ効果も期待できる。CLEANDOWNは三重県明和町に本社工場を構える河田フェザーで洗浄加工した原毛ダウンを使用。同地を流れる軟水で汚れやホコリを徹底的に降去することでかさ高が増して、保温力も高まっている。
▼レトロアウトドアな雰囲気に軽量高密度+撥水&静電ケア
THE NORTH FACE 「CAMP Sierra Short(キャンプシエラショート)」(5万1700円) 1970年に発売され、アウトドア用ダウンパーカの原型とも称される「シエラパーカ」がベース。リサイクルダウンの中わたや、リサイクルナイロン原料を用いた表地など環境問題に配慮した素材を取り入れつつ、往年のモデルに近いカラーリングに。フラップ付きの大きなポケットが目を引くボックスシルエットにも“らしさ”が色濃く表れている。
【GORE-TEX INFINIUM PRODUCTS】
防水テクノロジーのパイオニア“GORE-TEX”のプロダクトは、多様なアクティビティやシーンに対応するためにいくつもの種類に分かれている。その中でも、あえて防水性には主眼を置かず、透湿性や防風性といった着用時の着心地に特化したシリーズがインフィニウムである。従来の防水基準に縛られないため、服のシルエットや素材感を損なうことなく快適さとスタイリッシュなデザインが両立できて、日常生活にも馴染みやすいのが特長だ。
▼年代名作ダウンJKTを防風撥水・洒脱にリビルド
THE NORTH FACE 「WS Brooks Range Light Parka(ウインドストッパーブルックスレンジライトパーカ)」(7万9200円) 1977年に発表された初期TNFの象徴的ダウンジャケット「ブルックスレンジ」の素材や機能性をリビルド。薄くて強度のある裏地を採用し、ボリュームがありながらも軽い着心地を実現。中わたは環境に配慮したリサイクルダウン。内側と外側のバッフル 位置をずらす構造を採用し、外の冷気をダイレクトに受けてしまうコールドスポットを低減した。 (※「GoodsPress」11月号の記事をもとに構成しています)
<取材・文/TOMMY 写真/河田浩明>