マセラティ、新型「GT2 ストラダーレ」日本初公開 2025年第4四半期に導入
マセラティは、8月16日(現地時間)に米カリフォルニア州モントレーで開催された「モントレー・カー・ウィーク」においてワールドプレミアを果たした新型「GT2 ストラダーレ」を日本初公開した。日本には2025年第4四半期に導入することがアナウンスされており、価格は未定。会場ではマセラティ ジャパン 業務執行取締役 ジャパンジェネラルマネージャーの玉木一史氏が車両概要について説明した。 【画像】新型GT2 ストラダーレのアンベール GT2 ストラダーレは、GTレースに復帰するために開発されたレーシングカー「マセラティ GT2」と、カタログモデルの「MC20」を融合させ、極限のパフォーマンスを持ちながら公道も合法的に走れるというモデル。マセラティ GT2の開発チームが手掛けており、エンジンパワーを増強させるとともに、車両重量の軽減、ダウンフォースを向上させることでその性能を一段と引き上げているという。 エンジンはドライサンプ化されたV型6気筒3.0リッターツインターボで、出力はMC20を10PS上まわる640PS(最大トルクは720Nm)を発生。そしてMC20比で59kgの軽量化にも成功しており、その内訳はブレーキで17kg、ホイールで18kg、ボンネットで1kg、エクステリアカーボンパックで5kg、センタートンネルで1.5kg、インテリアと防音/断熱材で4.5kg、シートで20kgなどとなっている。 玉木氏はこれについて「これは数値以上にドライビングパフォーマンスに与える影響が大きくなっています。ご紹介したエンジンパワー、そして車重の大幅低減のおかげで、0-100km/h加速はMC20を上まわるわずか2.8秒を達成。このカテゴリーにおいてもっとも俊敏な後輪駆動車となっております。最高速は324km/h。バロッコのテストコースではMC20が記録したラップタイムを5秒以上も上まわる結果を叩き出しております」とアピールした。 また、このラップタイム短縮に大きく貢献したのが高いダウンフォースであり、「ダウンフォースの向上を通じて横方向、そしてコーナリング性能を高めることを目指しつつも、縦方向の効率を極力犠牲にしないことを追求しています。280km/h走行時で比べ、MC20が145kgのダウンフォースに対してGT2 ストラダーレは500kgまで高めております」と解説する。 加えて全体のバランスにも注力し、空力効率を上げるためにGT2レーシング由来のエアダクトを備えるカーボンレーシングボンネットをはじめ、リアスポイラーの改良などを実施。玉木氏は「ボンネッドに3つのエアベンド、フロントホイールアーチにも3つ、そしてリアウィンドウ近くにさらに3つのエアベントがあり、デザインにおいて3という数字が鍵になっております」とも述べた。 一方、インテリアもレーシング的要素を感じることができる仕上がりで、センタートンネルを軽量化のために再設計するとともに、スパイダートリムと呼ばれる中央のキャビネットにはドライブモード設定用のダイヤルを人間工学に基づいて配置。このスパイダートリムはカーボンファイバー製で、トリムの縁は黄色でデザインされる。これはレーシングカーからインスピレーションを受けたもので、これによって耐久レースの夜間セッションでドライバーが必要な操作を迅速に行なうことができるという。 インテリアの特徴について、玉木氏は「もう1つ特筆すべきポイントは、サベルトと共同で特別にデザインされた新しいカーボンファイバー製ダブルシェルシートです。このシートはドライビングポジションをさらに低く設定することが可能で、レーシングカーの特性を備えております。体格に合わせて2つのサイズがあり、オプションでは3点または4点式のハーネスの取り付けが可能となります。前後のスライド調整は手動式、高さは電動調整式で、理想的なドライビングポジションを実現してくれます。日常使用にもサーキット走行にも適しており、ドライバーは常にステアリングホイールの前でしっかりと体を支えられた安定感を味わうことができます」とコメントしている。 玉木氏は最後に「GT2 ストラダーレは、サーキットにおいて究極のパフォーマンスを発揮するハイテクモデルである一方、ADASをはじめとした安全性、快適性、日常生活にも適した親しみやすさも兼ね備えています。カメラ、パーキングセンサーといった現代のクルマに欠かせない補助機能も備え、市街地でも快適に走行することができます。以上の通り、GT2 ストラダーレはサーキット専用モデルとしていろいろな特徴を備えるだけでなく、世界中で愛されるスーパースポーツカーの持ち味をさらに凝縮することにも成功しました。レーシングカーのテクノロジーと、MC20が誇る最高のクオリティを兼ね備えております」としてプレゼンテーションを締めくくっている。
Car Watch,編集部:小林 隆