「エミリー、パリへ行く」は幻想!? 世界中が憧れる「パリジェンヌ」の実態とは?
「エミリー、パリへ行く」
ところが残念なことに彼女の本が出版されたのとほぼ同時期、ドラマシリーズ「エミリー、パリへ行く」の配信が開始した。そして事態はリンジー・トラムタの思惑とは逆の方向に進んだ。「あのドラマはパリでの暮らしをおとぎ話に仕立てています。実際の暮らしはもっと複雑で愉快で豊かなのに」とリンジー・トラムタは嘆く。そして多様なパリジェンヌのリアルな姿を伝える映画や動画が最近の米国で紹介されないことも残念がる。フレンチドラマ「エージェント物語」は米国でも配信されているが、このドラマはパリの中でも「選ばれた人たち」の暮らししか見せていないし、女性の描き方が誇張されており、問題があるというのがリンジー・トラムタの見解だ。幸い、パリジェンヌの虚像を打ち砕こうとしているのは彼女だけではない。たとえばアメリカ女性ローラン・ベイツが設立した「Wild Terrains(ワイルド・テレインズ)」は女性向けの少人数制フランス旅行を企画しており、「本物の」パリジェンヌとの出会いをセッティングしている。「私どものお客様はインスピレーションを求めてパリを訪れます。そしてインスピレーションを与えてくれる元気なパリジェンヌたちと真の交流をするのです」
text : Anne-laure Peytavin (madame.lefigaro.fr)