「インフルエンサーマーケティング だけで長くは愛されない」と気づきはじめたブランドたち
ブランドの目的を全員が理解する
インフルエンサーマネジメントエージェンシーのポンテファーム(Ponte Firm)創業者であるシャナ・デイビスロス氏は、ブランドと協働する場合はエージェンシーとインフルエンサーの双方がそのブランドの意図を明確に理解することが重要だと語った。それは広く一般的な認知度を上げることから、新商品の発表まで多岐にわたる。またエージェンシー、ブランド、インフルエンサーの3者とも、ブランドが達成しようとしている具体的な売上高があるかどうかについても同じ認識でいる必要がある。 「当社のクリエイターは、それぞれ自分のチャンネルでどのコンテンツがもっとも効果的かを知っている」とデイビスロス氏は話すが、注目を集めるにはさまざまなクリエイティブを試すことが重要だ。「もし何かがうまくいっていないとき、我々はしばしばブランド代理として彼らが制作しているコンテンツについて、より創造的な自由をクリエイターに与えてほしいと要求することがよくある」。 ユースフォリアのシム氏は、エージェンシーと提携するメリットのひとつとして、多くのインフルエンサーと協力するプロセスを円滑にし、料金を統一できる点があると語った。しかし、いくつかのデメリットもある。まず、報酬の分配を受ける関係者の数が増えるため、スケジュールが長期化し、料金が高騰する点だ。「TikTokの投稿1つに2万5000ドル(約380万円)を要求されても、現時点の我々には不可能だ」とシム氏は言う。「大好きなインフルエンサーだとしても、3年目に入ったばかりの当社にそんなことはできない」。
長く愛されるブランドになるために
ユースフォリアはこれまでのところ、有料のインフルエンサーマーケティングを2回しか実施しておらず、また有料のインフルエンサーと協働しはじめたのはほんの1年前だ。「クリエイターとの協働を楽しんでいるという意味においては良い結果が出ているが、コンバージョンの結果は微妙だ」とシム氏は答えている。 その結果、ユースフォリアは依然として口コミによる話題作りのほとんどを商品のギフティングに頼っている。インフルエンサープログラムをサポートするため、同ブランドは1カ月前に大学生限定部門も含むアンバサダープログラムを導入し、これまでに600人近くが登録している。アンバサダーはユースフォリアの商品について投稿する代わりに、無償で商品や特別割引が提供される。 インフルエンサーのビジネスモデルは体系化されてきたが、それでも「長く愛される信頼されたブランドを構築する方法として、ここにパターン化された成長戦略を見出すことはできない」とエクスペリメントのゲレラ氏は語った。 多くのブランドが注目を集めようと競い合っているなかで、最終的にはインフルエンサーにその商品を愛してもらう必要があると同氏は話す。「もしその商品がインフルエンサーのビュー数を伸ばすのに役立つのであれば、報酬の有無に関係なく、インフルエンサーはその商品について投稿してくれるだろう」。 [原文:DTC Briefing: As influencer marketing gets more expensive, brands test out new approaches] Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果)
編集部