2024年F1ベルギーGP以上の接戦も、歴史的に見れば多数あり! F1史上もっとも激戦となった上位5レース
4位:2016年アブダビGP
1. ルイス・ハミルトン(メルセデス) 2. ニコ・ロズベルグ(メルセデス)+0.439秒 3. セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)+0.843秒 2016年の最終戦アブダビGPは、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの、タイトルを賭けたメルセデス同士の争いとなった。ロズベルグはこのレースを、12ポイントのリードをもって迎えた。しかしポールポジションを獲得したのはハミルトンであり、レースの結果に全てがかかった。 ハミルトンはスタートでリードを守った。しかし前述の通り12ポイント差……ハミルトンとしては、優勝してもロズベルグが2位でフィニッシュすれば、自分の手にタイトルが転がり込んでこなかったのは明らかだった。ロズベルグが4位以下にならない限り、ハミルトンに勝目はなかったのだ。 ハミルトンは20周目までにロズベルグとの差を5.6秒にまで広げた。しかしロズベルグは楽に2位をキープ……この状況を打破するため、ハミルトンは”ペースダウンする”という戦略に打って出たのだ。 ハミルトンはペースを落とし、ロズベルグを抑え込んだ。それにより、後方のマシンにロズベルグを抜いてもらい、自身がタイトルを獲得しようと狙ったのだ。そしてロズベルグの真後ろには、フレッシュなタイヤを履いたフェラーリのセバスチャン・ベッテルが接近していた。 メルセデスはハミルトンにペースを上げるように指示を飛ばしたが、ハミルトンはこれに従わないばかりか、さらにペースを落とした。 ただロズベルグは2番手をキープ。最終的にはハミルトンが優勝、ロズベルグが0.4秒差で2位に入った。その結果、ロズベルグがタイトルを獲得。ただロズベルグは、その5日後に電撃的にF1を引退することを決めた。
3位:1981年スペインGP
1. ジル・ビルヌーブ(フェラーリ) 2. ジャック・ラフィット(リジェ)+0.211秒 3. ジョン・ワトソン(マクラーレン)+0.571秒 1981年のスペインGPは、ハラマ・サーキットで行なわれた。ポールポジションはリジェのジャック・ラフィット。彼にとってはこれが7回目のPPで、結果的にこれがキャリア最後のPPということにもなった。 ただそのラフィットは蹴り出しが悪く、先頭から一気に11番手に後退。前年王者のアラン・ジョーンズとカルロス・ロイテマンのウイリアムズのふたりがレースをリード。フェラーリのジル・ビルヌーブが7番グリッドから一気に3番手に浮上した。 ジョーンズは独走して、13周目の段階でビルヌーブに10.4秒の差を築いた。ただ、ジョーンズはあろうことかコースオフし、15番手まで落ちることになった。 これで先頭に立ったのは、ロイテマンを抜いていたビルヌーブ。ふたりは後続のジョン・ワトソン(マクラーレン)とラフィットに12秒以上の差をつけていた。しかしワトソンを抜いたラフィットはロイテマンに迫り、オーバーテイク。先頭のビルヌーブの背後に追いついた。 しかしビルヌーブのフェラーリは、コーナリングは遅いものの、ストレートは速かったため、後続のマシンはオーバーテイクするのに苦労した。 結局ビルヌーブは後続を抑え切ってトップチェッカー。この時、ビルヌーブの後には4台のマシンが連なっており、最終的にはこの5台が1.24秒という一塊でフィニッシュすることになった。 なおビルヌーブにとってこの勝利は、キャリア最後の優勝ということになった。