アマチュアコーチがホークスのキャンプに招聘…プロ未経験者がプロのコーチと審判へ講義する事態に!?
ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手から突然依頼が…
プロ野球の開幕が近づき、野球に関連するニュースが多くなってきた現在。年々技術革新が進む野球界にあって、特にメジャーリーグやプロ野球では新たな理論や動作解析ソフトなどにより、技術や戦術に関する理論が更新されるスパンが短くなっている。そんな中、選手や球団もプロ経験者だけでない人物からも技術や理論を学ぶ機会がここ数年で格段に増えているという。 【大胆予想】最新統計データが導き出した驚きの結果…今年の「セ・パ優勝球団」はズバリここ!! 普段は小・中学生を対象にキャッチャーコーチをしている緑川大陸(みどりかわひろむ)さんも、プロ未経験ながら、福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手の自主トレに帯同してキャッチャー技術を教え、その点が評価され、ホークスの’23年の秋季キャンプ、’24年春季キャンプにキャッチングコーディネーターとして招集されているという人物だ。 アマチュアコーチがプロ野球チームのキャンプで指導するという特異な環境。緑川さんが実際に現地で指導してみると、選手たちの練習に取り組む意識や技術力の高さを肌で感じた一方で、想定外に強烈な体験もあり、本人はかなり思い出に残るプロコーチデビューとなったようだ。そんなアマチュアコーチの体験談を聞いてみた。 ◆大幅に向上した甲斐選手のフレーミング指数にチームスタッフが注目 そもそも、なぜアマチュアコーチがプロ野球チームのキャンプに招聘されたのか。そのいきさつはこうだ。 「きっかけは、’22年の12月に甲斐選手から『自主トレで自分や若い選手にキャッチングのアドバイスをもらいたい』と連絡があったことでした」(緑川大陸さん) 緑川さんは特に「フレーミング」と呼ばれるキャッチャーの技術を研究していて、その技術力や指導力はアマチュア野球界隈ではよく知られ、普段は小・中学生を対象に指導する一方で、強豪高校や大学のキャッチャーへの指導などもしている。 「フレーミング」とは近年になって注目されるようになった技術で、MLB公式サイトには「アンパイアがストライクと判定する確率を高めるための捕球技術」と記されている。つまり、ストライクゾーンのギリギリを通過した投球を、キャッチング技術でストライクとコールしてもらうことが大きな目的のひとつとなっていて、MLBだけでなく、日本のプロ野球をはじめ、大学や高校などのアマチュア野球でも広く取り入れられるようになってきている。 しかし、フレーミングは比較的新しい技術ということもあり、本格的に指導できるコーチがプロでも少ないのが現状だ。そこで緑川さんは軟式野球チームでも実際にキャッチャーとして出場し、その姿をYouTubeやSNSで公開し、注目を集めることで技術力の高さを知らしめていった。とはいえ、プロ選手からの依頼には大いに驚いたようだ。