「議員150人集まらないよう引きずり出せ」…特殊任務団長、戒厳解除封鎖作戦を暴露
特殊戦司令部第707特殊任務団のキム・ヒョンテ団長が記者会見
12・3内乱事態当時、国会への出動任務を任された陸軍特殊戦司令部第707特殊任務団のキム・ヒョンテ団長(大佐)は9日、当時国会が非常戒厳を解除できないよう「議員150人が集まらないように(中に)入って引きずり出せ」というキム・ヨンヒョン前国防部長官の指示を受けたと明らかにした。これまでの大統領室の説明とは異なり、3日の非常戒厳宣布は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とキム前長官などが最初から憲法に規定された国会の非常戒厳解除手続きを無力化することを計画した「準備された内乱」だったとみられる。 キム団長は9日、ソウル龍山区(ヨンサング)の戦争記念館前で記者会見を開き、707特任団が国会に投入された当時、キム前長官がクァク・チョングン前特殊戦司令官を通じて「中に入って引きずり出せるか。いま国会に議員たちが集まっているが、150人以上になってはいけない」という具体的な作戦指示をしたと述べた。憲法第77条5項は、国会が在籍議員の過半数である150人以上の賛成で戒厳解除を要求した場合、大統領が直ちに戒厳を解除しなければならないと定めている。これを根本的に遮断するために軍を動員したことは明白な違憲だ。「国会が(非常戒厳解除に)同意するかどうかを自ら判断できるよう、(議員たちの本会議場)進入を阻止しなかった」とした大統領室の説明も偽りになる。 また、キム前長官がテロ鎮圧など国家戦略任務を遂行する707特任団を12・3内乱事態の行動隊として念頭に置き、あらかじめ準備させた情況も公開した。また、ソウルで警察能力を超える同時多発テロが発生し、軍に対テロ特攻隊の投入が要請された場合どうするかをクァク・チョングン特殊戦司令官と年初から議論し、「今年初めてヘリ展開訓練を(汝矣島近くの)ノドゥル島で4~5月に実施した」と明らかにした。 また、「(非常戒厳宣言)当日は、それと関連した訓練をしようと言われた」と述べた。北朝鮮などのテロに備えるものと考え、春から準備しており、当日にも部隊員が軍装検査を終えた状態だったため、キム前長官の当日の指示を受けた後、すぐに国会に出動できたという。 キム団長は「(707特任団の)部隊員たちはキム前長官に利用された被害者」だと、涙声で何度も彼らを許してほしいと訴えた。また「707部隊員が行ったあらゆる過ちの責任は指揮官である自分一人で背負う」とし、「国民の皆様に重い心で深くおわび申し上げる」と語った。 パク・ミンヒ、クォン・ヒョクチョル先任記者、シン・ヒョンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )