田内学氏「中卒そば屋の父から東大に行けと言われ」…ゴールドマンサックスを41歳で「本の執筆のため退職」の真意
「安倍さんをはじめ、多くの政治家の人たちと話すことができました。ただ、政治家に話しても国民の意識が変わらないと国は変わらないと感じました」 ■子どもにも読ませたい 本記事の冒頭で触れた2作目の著書『きみのお金は誰のため』はもっと多くの人に読んでもらうため、小説仕立てにしようと考えた。 田内さんは「小説を書く修行」を1年間したあとに書き上げた。 「その結果、1作目と違って、女性の読者が増えたようです。 『投資をはじめる前に読みたかった』『子どもに読ませたい』『投資をはじめる前に読んでよかった』という感想をいただき、うれしかったです」 多くの人に、社会を「自分ごと」として感じてもらいたい。そのために田内さんはこれからも伝え続けていく。 取材・文/大場宏明、中島晶子(AERA編集部) 田内 学(たうち・まなぶ)社会的金融教育家。1978年生まれ。2001年、東京大学工学部情報工学科卒業。2003年、東京大学大学院情報工学系研究科修士課程修了後、ゴールドマン・サックス証券に入社。16年間、日本国債や円金利デリバティブ(金融派生商品)、為替などのトレーディング業務を行う。2019年に退職し「執筆のための修行」。著書に『お金のむこうに人がいる』(ダイヤモンド社)、『きみのお金は誰のため』(東洋経済新報社) 編集/綾小路麗香、伊藤忍 『AERA Money 2024秋冬号』から抜粋
中島晶子,大場宏明