最新! サプリメントの注目キーワード18【前編】
最近なんだかよくわからないサプリメント言葉が増えてきた。だからサプリのトレンドがざっくり摑めるように、仕組みも含めてしっかり解説します。紹介するのは新たな栄養素名だけでなくサプリ先進国のアメリカで「今来ている」ブームも含めた18のキーワード。前編では、NMN、リポソーム、5-HTPをはじめ、9つが登場。このうち、あなたが正確な知識を持っているものは果たしていくつある?[取材協力/中村泰宏(虎ノ門中村クリニック神谷町院院長)、平井陽子(薬剤師カフェvita代表)、圓尾和紀(管理栄養士、未来日本型食生活協会代表理事)]
① 長寿遺伝子の活性化で若返りの願いが叶うか「NMN」
NMNの正式名称はニコチンアミドモノヌクレオチド。生物の体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素に変換され、エネルギー産生を促したり、老化や寿命を制御するサーチュイン遺伝子を活性化する。数年前から“若返りの物質”として大きな注目を浴びている成分だ。 アメリカの健康事情に詳しい医師の中村泰宏さんは次のように言う。 「これまでのサプリは足りないものを補うというタイプで、長寿遺伝子を活性化させるところまでアプローチするものがなかった。だから大きな注目を浴びたんです。最初は意識の高い人が高額を支払って手に入れるものでしたが、今は量産できるようになって価格競争も進み、より多くの人の手が届くレベルになってきていると思います」 日本でも美容やアンチエイジング治療でNMNを点滴して若返りを図るステージから、多少値は張るがサプリでより手軽にNMNを補給する流れになっている。要チェックだ。
② 有効成分を確実に、届けたい場所に届ける技術「リポソーム」
「リポソーム型ビタミンはアメリカで流行っていて、今まさに日本にも広がりつつあるところです」と言うのは、アメリカのサプリ業界を研究している薬剤師の平井陽子さん。 リポソームのリポ=脂質、ソーム=小さい物質。体内に届けたい成分を生体物質であるリン脂質が多重構造になったカプセルに閉じ込めて、成分の吸収性を高める技術のこと。医薬品のドラッグデリバリーシステムとして活用されていた技術だ。 「日本では美容系のお医者さんや自由診療のクリニックが販売しているケースが多く、まだ知っている人は知っているというレベル。大手メーカーさんが大々的に製品を出していない印象です。 でも、今ある成分を効率的にカラダに届けるサプリの形態の開発はアメリカで激化しています。今後は健康目的やアンチエイジング目的で、今みなさんが普通にビタミンCドリンクを飲むようにリポソーム型ビタミンを摂る日が来るかもしれません」