「グリップなんてなんでもいい」ってホント!? グリップより大事なことを教えます【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯91】
一昨年の全米女子アマを制し、プロテスト合格後、米下部ツアーで活躍する馬場咲希プロを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「グリップなんてなんでもいい!?」がテーマだ。
O編 前回、グリップなんてなんでもいいって言ってたけど、それってどういう意味? 坂詰 ボク、基本的にどんなグリップでも球は打てると思ってるんです。だから、グリップはほとんど直さない。もちろん、初心者とか、経験の浅い人は別ですけどね。 O編 それは、どうしてなの? 坂詰 この連載でずっと話してきたように、ボクは、腕と体を同調させて(手と腕を体の正面に置いたまま)、体の回転で打つスウィングをすすめてるじゃないですか。それができれば、どんな握り方をしていようと、ヘッドは元に戻って来るので、必ず当たるはずなんですよ。それが当たらないのは、手や腕 が余計なことをしている証拠なんです。 O編 なるほど。理屈はわかるけど、なんでもいいって言われると、ホントかな? と思っちゃうなぁ。 坂詰 ま、クラブを安定してホールドできるとか、そういう最低限の条件は満たさなくちゃいけませんよ。でも、ストロングだろうと、ウィークだろうと、そういう形の部分は、なんでもいいと思ってるんです。 O編 あぁ、そういうことか。 坂詰 プロだって、みんな違うじゃないですか。強烈なウィークで握っている人もいれば、ものすごいストロングの人もいる。指先で握る人も、手のひらで握る人もいる。中にはクロスハンドやスプリットハンド(両手を離して握るグリップ)でツアーに出ている選手もいますからね。 O編 つまり、絶対にこう握らな くちゃいけないってものはない、と言いたいわけだね。 坂詰 そういうことです。ところが、「正面から見たとき、左のこぶしが2~3個見えるグリップで握れ」って言われると、「そうしなきゃいけない」って考えちゃう人がいるんです。でも、それってあくまで目安なだけで、自分が気持ちよく打てるのであれば、そうじゃない握り方でも、なんの問題もないんですよ。 O編 自分にとって、どんなグリップが気持ちいいか、わからない人も多いと思うんだけど? 坂詰 一番は、フェースをスクエアに戻しやすいかどうかってことですよね。たとえば、球が右に出るのはフェースが開いている証拠ですし、左に出るのはフェースがかぶっている証拠です。それが、安定して狙っているところに打ち出せるのであれば、グリップはどんな形でも構わないんです。 O編 逆に言えば、常にフェースが開いて当たる人や、かぶって当たる人は、グリップを変える必要があるってことかな?
【関連記事】
- 本当の「ハンドファースト」を実現するには、インパクトの形を気にしないほうがいい!? いったいどういうこと?【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯90】
- 飛ばしは「お尻」がポイント!? 前傾角度を保ってダウンスウィングする力の使い方を解説【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯89】
- インパクトは前傾角度を保つことが大事! 上体が伸び上がってしまう人の解決策は?【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯88】
- 難しいけど、ゴルフの上達に欠かせない動き! ダウンスウィングで骨盤を移動させる「トランジション」を解説【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯85】
- 飛距離が伸びる「簡単シャドースウィング」を今週国内プロデビューした馬場咲希のコーチが解説【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯84】