現役女子高生だった1年前は“失意のQT”に 苦難乗り越えた2人の19歳がレギュラーツアーへ「やっと開幕から…」
11月29日まで行われていた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のQTファイナルステージ(静岡・葛城GC 宇刈C)では、来年“プロ2年目”を迎える2人の19歳が、1年前の悔しさを晴らした。まだ現役高校生だった昨年味わった失意を、これからの活躍で完全に払しょくしたい。 通過ならず…悔し涙を流す菅沼菜々【写真】 今季レギュラーツアー22試合に出場した菅楓華は、トータル1オーバー・20位で来季前半戦出場権を手に入れた。「やっと開幕から出られるので、最初がすごく大事。しっかりオフに準備していきたいです」と、キラキラした目でこの冬を見据える。 今年と同じ葛城GCで行われた昨年のQTファイナルステージは、4日間を5位で終えたものの、全ラウンド終了後に同伴競技者のマーカーによるスコア記入ミスと、その確認・訂正ができていなかったことが判明。失格となり、今季はQTランク104位でスタートすることになってしまった。それだけに開幕から出場できることへのよろこびは大きい。 ただ、この状況でも限られたチャンスを生かし、リランキングを突破しながら最後はレギュラーツアーを主戦場にできた経験は来年にも生きてくる。「雰囲気にも慣れ、キャディさんも色々紹介してもらって、たくさん勉強させてもらえました。それも来年につながるといいな」。プロ1年目はツアー生活のリズムをつかむのが難しいとよく選手たちは話すが、そこもしっかりと乗り越えてきた。 オフは地元・宮崎県を拠点にレベルアップを図る。地元の大先輩・大山志保とラウンドする予定も入り、それも楽しみだ。「あとは食トレを頑張ります。連戦で、体重は落ちてないんですけど、太ってもいない。筋肉をつけたいですね、目標は3~4キロ(増やしたい)」。苦難を乗り越え、パワーアップした姿が見られそうだ。 そしてもうひとり、昨年のプロテストトップ合格者・清本美波も、トータル2オーバー・25位タイで終え“リベンジ”に成功した。大きな注目を集めて迎えた1年前のQTだったが、100位に終わり主戦場は下部のステップ・アップ・ツアーに決定。こうして迎えたルーキーイヤーもドライバー不振の影響が大きく、レギュラー出場は9試合、メルセデス・ランキング159位と不本意な年になってしまった 「色々と変えてしまったところがあった。それで勉強になった部分はあるけど、やらなくてもよかったこともあったので、まずは今まで通りやっていきたい」。スイングについては、父の宗健さんと二人三脚、「動画で間違い探しみたいに見比べながら」修正を続ける。ドライバーもシャフトをプロテストの時のものに戻すなど、“原点回帰”でなんとか間に合わせてきた。 この状況もあって、「今回のQTはあまりうまくいくと思ってなかった」とも話す。それでもトラウマ、そして今季の悔しさを少しは拭うことができた。「レギュラーツアーで戦える選手になりたい。チャンスはあるので、それを無駄にしないように、これから細かく目標設定していきながらやりたいです」。“2年目の飛躍”を目指していく。(文・間宮輝憲)