知人に「娘に”墓守”をさせたくないし、負担をかけたくない」と話していたら「樹木葬」をすすめられました。「樹木葬」とはどんなものですか?
お盆の時期が過ぎ、家族や親しい人との会話が増えるこの時期に、お墓について考える機会も多くなります。 最近では「墓じまい」などの言葉をよく耳にしますが、「子どもに墓守をさせたくないし、負担をかけたくない」と考える人も多いのではないでしょうか。お墓の在り方も年々変化しているようです。 本記事では、昨今のお墓事情や、近年増加傾向にある「樹木葬」について確認していきます。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
調査結果に見る昨今のお墓事情
(株)鎌倉新書(東京都中央区)の「【第15回】お墓の消費者全国実態調査(2024年)」(調査期間:2024年1月、調査対象:2023年に「いいお墓」経由でお墓を購入した1791名)によると、購入したお墓の種類の第1位は、約半数(48.7%)の「樹木葬」となっており、次いで「一般墓」(21.8%)、第3位が「納骨堂」(19.9%)となっています。 図表1のとおり、2018年調査時点では「一般墓」が約半数を占めていたのに対して、5年後の2023年時点では「樹木葬」が半数を超え、逆転していることがよく分かります。 図表1
株式会社鎌倉新書 【第15回】お墓の消費者全国実態調査(2024年) また、お墓を選ぶ際に重視した点については、「お墓の種類」、「金額」、「自宅からのアクセス」がベスト3となっており、お墓においても、より手軽な金額やアクセスの良さを重視する傾向が見られます。 さらに特徴的なのは、「承継者不要のお墓」の購入者が調査対象者の64.1%を占め、「継承者がいる」という回答(33.2%)の約2倍となっている点です。この点も「樹木葬」や「納骨堂」が選ばれる背景となっているでしょう。 ちなみに、お墓の平均購入金額は、「樹木葬」が63万7000円と最も安く、「納骨堂」は80万3000円、「一般墓」は149万5000円となっています。そして、自宅からお墓までの所要時間の平均は31.4分とのことです。