「競争優位性ある」多角経営に強み オリックス次期社長の高橋英丈専務執行役
オリックスは9日、高橋英丈専務執行役(53)が2025年1月1日に社長兼グループ最高執行責任者(COO)に昇格する人事を発表した。井上亮社長兼グループ最高経営責任者(CEO)=(72)=は会長となり、引き続きCEOを務める。社長交代は14年ぶり。 事業の多角化で金融から環境エネルギーまでセグメントが10項目にも及ぶオリックスで、業績のさらなる拡大に向けたかじ取りを託された。 「オリックスグループの強みは起業家精神を持って新しいことに積極的にチャレンジするところ」。9日、東京都内で開いた記者会見では、現状に安住することのない果敢な取り組みを呼びかけた。 1993年に入社後、法人営業、不動産ファイナンス、事業投資のほか、自身が一から立ち上げた再生可能エネルギーと多岐にわたる事業を担当し、英国勤務も経験した。後継指名を受けた理由を問われ、「いろいろな経験を積んできたことが一つ」と自負する。 井上亮社長は高橋氏の緻密さや判断力を評価した上で、何よりトップとして重要な「バランス感覚」が優れていることを強調した。 近年は海外投資家を中心に批判が目立つ多角経営について、「他がまねできない事業ポートフォリオは競争優位性(があること)の裏返し」と強調。透明性を持って説明することに留意しつつ、「変化と成長を続けていきたい」と今後も突き進む決意を見せた。(福田涼太郎)