Cookie消滅、プライバシー規制、AI、ストリーミング戦争 ─ 米DIGIDAY編集長ジム・クーパーの2024年注目トピックは?
──持続可能性の課題については、日本のマーケターのあいだではあまり議論されていないように感じている。アメリカではどのように捉えられているか?
ブランド企業は、環境に配慮しCO2の排出量をできる限り抑えるよう、大きなプレッシャーにさらされている。一方で、デジタルメディアの売買は必ずしも環境にやさしいものではないのも事実。今後はKPIとしてカーボン・フットプリントやサステナビリティ・スコアがより重視されるようになり、基準値を満たしていなければ、メディアパートナーとして考慮されないということも出てくるかもしれない。メディアバイイングやプランニングにおいて、持続可能性の問題がより重要視されるだろう。
──DIGIDAYの編集方針、変わらぬフィロソフィーは。
我々のフィロソフィーは、この非常に複雑でディスラプティブな領域において、読者の役立つ誠実で重要な記事を書くことにある。大事にしているのは量より質で、ニュースの分析と解説に力を入れている。 変化の激しいこの世界で仕事をし、その時々で起きていることを詳しく説明してほしいと思いDIGIDAYを訪れる読者にとって頼りになる情報源であること。彼らがより良い仕事ができるよう情報を提供し、キャリアを築くうえでの指針を与えること。それが私たちの存在意義だと考えている。
──日本の読者にメッセージを。
マーケティング、メディア、テクノロジーという点で日本はアメリカ市場とよく似ているところもあるが、全く違う部分もある。DIGIDAY[日本版]には、米国でも参考になる興味深い記事が多い。パンデミックの影響が落ち着いてきたいま、日本でもアメリカでも、業界にとって非常にエキサイティングなコンテンツを届けられる年となるだろう。
編集部