Cookie消滅、プライバシー規制、AI、ストリーミング戦争 ─ 米DIGIDAY編集長ジム・クーパーの2024年注目トピックは?
──AIの出現によって、デジタル広告にはどのような変化が起きるだろうか。欧米ではリスクを懸念し、規制の強化も始まっている。
厳しすぎる規制は望ましくないが、現状ではまだ不十分だと考えている。広告主はメディアに広告費を払うならば、適切なオーディエンスにリーチしたいはずだ。しかし今はまだ悪質な業者による詐欺まがいの行為が横行している。規制でこれらを抑制する必要はあるが、それは長い道のりになるだろう。こうした問題はAIによってますます加速するはずで、AIによってアドフラウドが爆発的に増加するようなことはあってはならない。規制が持つ役割は大きいだろう。 AIができることは非常に多く、驚くほど効率性が高い。ただし、マーケターはその扱いについて慎重になる必要がある。まだごく初期段階にあるこのテクノロジーが、実際にどのように機能するのかを見極め、適切な活用方法を見つけるための試行錯誤が続いているが、ビジネスを推進するうえでのAI活用はまだ誰もマスターしていない。
──今年、あなたが特に注視すべきだと考えている、メディアとマーケティング領域のトピックとは?
2024年には、先ほど触れたサードパーティCookie廃止をはじめとするGoogleやAppleの反トラッキングの姿勢や、ジェネレーティブAIの話題のほか、インフルエンサーやクリエイターエコノミーの進化、エンターテインメント、スポーツ、ゲーミング業界とブランドの関わり方などに関心が集まるだろう。また、ストリーミング競争の展開にも引き続き注視したい。メディアとマーケティング領域における持続可能性とDEIも非常に重要なトピックとなるだろう。 これらは、DIGIDAYというメディアにおいても、イベントでも重要なトピックだ。イベントを企画する際には、2つのことに留意している。ひとつは、登壇者の話からインスピレーションを受けられるようにすること。もうひとつは、実際に仕事に役立てることができる知見やノウハウを提供すること。上に挙げた各テーマに関する登壇者の話に、参加者がインスパイアされるだけでなく、問題を解決するためのヒントやノウハウを持ち帰ってもらえるようなイベントを提供していく予定だ。