2013年 福島原発の状況はどうだったか
日本史上最大の原子力発電事故となった東京電力・福島第一原発事故が起きて3年。40年といわれる廃炉作業は今も続いています。 東京電力は福島第一原発内の一斉報道公開を現在は年3回ペースで実施しています。この公開では新聞、テレビ、雑誌、インターネットメディアに加え、12年5月からフリーランスジャーナリストにも門戸が開かれました。フリーランス枠は2人で、うち1人が代表カメラ。参加資格は東京電力の定例記者会見に1回でも参加実績があり、さらに日本新聞協会、日本雑誌協会などのメディアで事故に関する報道実績があることです。定員枠を超える応募があり、その場合抽選となります。
公開当日朝は作業拠点の福島県双葉郡広野町のJビレッジに集合。写真付身分証明証での本人確認、撮影者は機材型番と養生の有無のチェックを受けます。養生はカメラをビニールなどで包み、放射線からの汚染を防ぐ作業で、取材後にカメラに著しく汚染があると判明した場合、最悪原発構内で放棄しなければなりません。 福島第一原発構内に向かう直前と戻ってきた際にはホールボディカウンターという装置で内部被ばくレベルを測定します。要は原発構内で過度な内部被ばくを受けなかったかをチェックするためのものです。
Jビレッジから福島第一原発までは東京電力が用意したバスで所要約30分。入口の出入退管理棟で金属探知機検査など受け、同原発内の司令塔ともいうべき免震重要棟で用意された装備に着替えます。 男性はバンツ一枚になり、上下長袖のスウェットのようなものを着用し、胸の位置にあるポケットに渡された簡易線量計を差し込み、手には綿手袋、足には専用の靴下をはき、スウエットの裾は靴下の内側に巻き込みます。その上でタイベックと呼ばれる前面にファスナーがあるフード付き上下つなぎの防護服に手足を通します。綿手袋の上からゴム手袋を着用し、タイベックの袖口はゴム手袋の内側に巻き込み、そこをガムテープで封印。またもう1枚用意されている靴下をはき、やはりタイベックの裾を靴下の内側に巻き込みます。その上で手にはさらにもう1枚ゴム手袋を重ね、都合手袋は三重になります。頭には髪の毛を覆う水泳棒のような帽子をかぶり、その上から全面マスクを着用、タイベックのファスナーを上げ、さらにフードをかぶります。 この状態で免震重要棟出入口で専用靴とヘルメットを着用してようやく装備が完成と言いたいところですが、さらに案内されるバス乗車時に専用靴の上にビニールカバーを装着します。