〈CES2025〉トヨタ、ウーブンシティは2025年秋以降に実証開始 70万㎡超の未来都市に2000人が生活
【米ラスベガス=中村俊甫】トヨタ自動車は現地時間1月6日、「CES2025」で記者会見を開き、実証都市「ウーブン・シティ」を2025年秋以降、立ち上げることを明らかにした。第1期の建物を24年10月末に竣工しており、人、モノ、情報、エネルギーの移動に焦点を当て、研究とイノベーション創出に取り組んでいく。また、新たに実証企業にダイキン工業などが加わることも発表した。 登壇した豊田章男会長は、ウーブン・シティについて「トヨタに利益をもたらすかはさておき、地球市民として未来に投資する責任がある」と述べた。 会見では、日常生活を支援する家庭用ロボットの開発も進めていることを明らかにし、人間の動きを学習してTシャツを畳む動作を例示した。また、トヨタ子会社のウーブン・バイ・トヨタは、ロケット開発などを手掛けるインターステラテクノロジズ(稲川貴大代表、北海道大樹町)に70億円を出資すると発表した。 すでに公表済みの日清食品に加え、新たにダイキン工業、ダイドードリンコ、UCCジャパン、教育事業を手掛ける増進会ホールディングスの4社も実証に参加する。さらにスタートアップ企業や研究機関に向けて、今年夏ごろにはピッチコンテストを開く予定だ。 ウーブン・シティは、人やモノだけでなく情報、エネルギーを含めた「モビリティ(動き)のテストコース」と位置づけており、トヨタ従業員に加えて、イノベーションの創出を目指す企業や起業家、研究者などが暮らす構想で、トヨタ自動車東日本の東富士工場(静岡県裾野市)跡地に建設した。20年の「CES2020」で構想を発表した後、22年11月に第1期の建築工事を開始し、昨年10月末に竣工した。現段階での敷地面積は約5万平方メートルだが、将来的には約70万8000平方メートルまで拡大する予定で、2000人程度が暮らすことを想定している。