中国人留学生を書類送検! 「電動スーツケース」は日本で普及するかのか? その規制と課題に迫る
電動スーツケースの落とし穴
2024年6月、大阪府警は留学目的で来日していた30代の中国籍女性を道路交通法違反(無免許運転)で書類送検した。最高時速13kmの「電動スーツケース」を使って歩道を走行していた疑いである。電動スーツケースに関連する道交法違反による摘発は、今回が初めての事例だ。 【画像】「すげぇぇ!」 これが「34年前の越谷レイクタウン」です! 画像で見る(17枚) 現在、インバウンド産業の拡大にともない、 「電動スーツケースで公道を走行する外国人観光客」 を頻繁に見かけるようになった。この乗り物は、荷物を運ぶスーツケースにモーターとバッテリーが搭載されていて、多くの日本人には新しい存在だ。 すでに日本の家電量販店でも販売されている。しかし、道路交通法において 「原動機付自転車」 として分類されているため、日本の公道を走行するには ・ナンバープレート ・保安部品 の装備が必要だ。もちろん、運転者は免許証を所持している必要がある。そのため、家電量販店で売られている電動スーツケースには 「公道走行は不可」 という注意書きが必ず記載されている。開発者の技術や努力が詰まった製品ではあるが、日本では普及することが難しいといわざるを得ない。
商業化製品の先駆け
電動スーツケースを最初に発明したのは誰か――。 実はこの問いに明確な答えを出すのは難しい。なぜなら、同じ時期に複数の発明者が電動スーツケースと呼べる乗り物を開発していたからだ。ただし、「世界で初めて商業的に展開された電動スーツケース」という点でいえば、 「モドバッグ」 が挙げられる。 「モドバッグ」の開発者であり旅行家でもあるケビン・オドネル氏は、空港で子どもがスーツケースにまたがって遊ぶ姿を見かけたことが、この発明のインスピレーションになったと語っている。 2015年にクラウドファンディングサイト「キックスターター」に出展したものの、当初は十分な出資を集めることができなかった。しかし、翌2016年にクラウドファンディング「インディーゴーゴー」に挑戦し、78万ドル(約1.2億円)もの出資を獲得。2022年には後継機「モドバッグ 2.0」も発表している。