中国人留学生を書類送検! 「電動スーツケース」は日本で普及するかのか? その規制と課題に迫る
鉄道会社の規約
次に、鉄道会社の規約について調べてみた。今回はJR東日本に直接問い合わせた結果を以下に示す。 ●質問 日本の主要空港では、電動スーツケース(スーツケースにそのままモーターとバッテリーがついている乗り物)の構内での走行を禁止する措置を取っているが、JR東日本の駅(新幹線駅含む)では電動スーツケースに関する規約やルールはどのようになっているのか。 〇回答 ・電動スーツケースは、道路交通法上「原付機付自転車」(必要となる保安器具は不足)として見なされた摘発事例があり、公道での利用は禁止されています。 ・原動機付自転車のような免許を必要とする乗り物を駅構内で利用することは認めていません。時速10kmで走行可能な電動スーツケースの走行利用があることで、他のお客さまとの衝突や転倒事故が発生するリスクが考えられるため、走行利用はご遠慮ください。 ●質問 電動スーツケースの駅構内への走行に関してJR東日本の見解は。 〇回答 ・安全で快適な駅空間の創出のためにも、電動スーツケースの駅構内の走行利用についてはご遠慮ください。 JR東日本も、前述の五つの空港と同様に、電動スーツケースの構内利用を認めていないようだ。これらを総括すると、日本では電動スーツケースを使用できる公共空間は 「ほとんど存在しない」 といえる。
電動スーツケースの意外な欠点
電動スーツケースは「スーツケースとして見ればむしろ不便」ともいわれている。これは、電動スーツケースの構造上、 「内部の容積がバッテリーによって犠牲になってしまう」 からだ。そのうえ、モーターの影響で重量も増加する。今は軽量で大容量のスーツケースがディスカウントストアでも手に入る時代であり、日本では電動スーツケースが活躍する場がほとんどない。そのため、電動スーツケースを選ぶメリットはどこにあるのかという疑問が生まれる。 さらに、電動スーツケースは高額だ。日本では10万円を超えることが多く、単に「便利なスーツケース」を求めている人がこれを購入する可能性は低いだろう。高い価格にもかかわらず、使える場所が限られている。 こうした背景がある限り、日本人や日本在住者の間で電動スーツケースが普及することはほとんどないと考えられる。