開志学園JSC高の注目ストライカー、FW阿部日夏太(3年=田口フットボールアカデミー出身)(Taro YOSHIDA)

　圧倒的なスピード、馬力を持つストライカーが、打倒・帝京長岡、新潟制覇、そして選手権での活躍を誓った。FW阿部日夏太(3年=田口フットボールアカデミー出身)は昨年度の選手権予選、今年のインターハイ予選で開志学園JSC高(新潟)の決勝進出に貢献。今年の新潟県1部リーグでは開幕5試合で12得点(現在15得点)、北信越大会でも2戦3発と違いを示している。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 　昨年の選手権予選や、国内外の代表チーム相手に活躍したU-17新潟選抜では主に右サイドを務めていたが、今年は1トップとしてプレー。インターハイ予選決勝では、プレミアリーグ勢の帝京長岡高と対戦し、選手権予選決勝(2-5)のリベンジを目指した。 　阿部は立ち上がりに右サイドを抜け出すと、追走するDFを振り切って右足シュート。さらにGKの意表を突くロングシュートを狙い、ゴール前の混戦から右足を振り抜く。開始10分間でシュートを連発した阿部は、後半にもDF背後を強襲し、強烈な左足シュートを放った。 　スコアは0-5で再び敗れたが、「チームとしてのやっぱ差っていうのは感じたんですけど、個人として見た時に、プレミア相手だったけど、通用する部分っていうのは絶対にあったと思う」と頷く。 　帝京長岡の仙台内定FW安野匠(3年)に2ゴールを献上。それでも、阿部は「スタッツを見た時に、シュート数で言ったら、安野とかよりは自分打ってたので、やっぱシュートチャンスでは打てている部分はあった」と手応えを口にする。 　抜群のスピード、裏抜けは強敵相手にも通用した一方、昨秋からの課題となっているのは、1本で仕留める力。そのことを実感し、「インハイ終わってから、ほんとシュート、決定力の部分はよりこだわるようになりました」。今月、進路に決めている関東の大学へ練習参加した際も、1本の重要性を再確認。様々な角度からシュートを決められるように、追求してきた。進化した姿を選手権予選で示す意気込みだ。 　最大のライバル、帝京長岡はインターハイで青森山田高(青森)を破るなど新潟県勢初のベスト4進出。また、決勝へ勝ち上がるためにはともにプリンスリーグ北信越1部の北越高や日本文理高に勝利しなければならない。 　献身的に戦うチームに自分は、結果で応えるだけ。「自分がやっぱキーマンになるっていうのは自分自身が1番分かっていますし、(マークを)徹底されるっていうのも自分でも分かってるので、もうワンランク上げて、より厳しい戦いの中で自分がどんどんやっていきたいなっていうのはあります」と引き締める。 　年代別日本代表や高校選抜に入りたいという気持ちは高まっている。9月12日にはU-17日本代表対U-17ペルー代表が行われた国際ユースサッカーin新潟の会場補助を務め、その憧れや現状の自分に対する悔しさを口にしていた。 　中学時代のチームメートである流通経済大柏高(千葉)MF柚木創(3年、24年U-17日本高校選抜、23年U-17日本代表)の活躍からも刺激を受けている。今年こそ選手権に出場し、「新潟だけじゃなくて早く全国に(自分の名を)知らせたい」。そして、大学で1年時から「プロに目つけてもらえるくらいの気持ちでいますし、もうデンソー(カップチャレンジの大学選抜チーム)とかもどんどん入っていきたい」というFWが、“今度こそ”激戦区・新潟制覇を果たして全国舞台で躍動する。