「マイコプラズマ肺炎」5週連続で過去最多を更新 新型コロナとの症状の共通点・違いとは
国立感染症研究所は、直近1週間の1医療機関あたりのマイコプラズマ肺炎の患者報告数が2.49人と発表しました。マイコプラズマ肺炎の患者数は、5週連続で過去最多を更新しています。このニュースについて中路先生に伺いました。 【イラスト解説】大人もうつる「マイコプラズマ肺炎」厄介な特徴・予防法
マイコプラズマ肺炎の感染状況とは?
編集部: 今回、ニュースで取り上げられたマイコプラズマ肺炎の感染状況について教えてください。 中路先生: 国立感染症研究所は、2024年10月21~27日の1週間に全国約500の定点医療機関から報告されたマイコプラズマ肺炎の患者数を明らかにしました。報告によると、マイコプラズマ肺炎の1医療機関あたりの患者の報告数は全国平均で2.49人となり、9週連続で増加している状態であることがわかりました。これは、昨年の同時期と比べると、49.8倍の患者数です。 全国平均で2.49人という1医療機関あたりの患者数は、1999年に現在の方法で統計を取り始めてから最も多い患者数になります。過去最多を更新するのは5週連続です。1医療機関あたりの患者の報告数が最も多くなったのは愛知県で、5.40人でした。2番目に多くなったのは福井県で5.33人となりました。次いで青森都が5.00人、東京都が4.84人、埼玉県が4.67人と続いています。
マイコプラズマ肺炎と新型コロナウイルスの症状の違いは?
編集部: マイコプラズマ肺炎と新型コロナウイルスの症状には、どのような違いがあるのでしょうか? 中路先生: 最近、流行しているマイコプラズマ肺炎と新型コロナウイルスは、熱や咳が出るなど、共通する症状があります。 しかし、2つの感染症の症状で異なる点もあります。マイコプラズマ肺炎の場合、鼻水は出ず、咳が主な症状です。一方、新型コロナウイルスの場合は、喉の強い痛みが出たりイガイガした状態になったりするほか、鼻水や鼻詰まりの症状も出ます。また、レントゲンなどの画像検査では、マイコプラズマ肺炎と新型コロナウイルスで結果が異なるので、鑑別できると思います。あとは、症状が出る確率はあまり高くありませんが、新型コロナウイルスに感染した場合は、嗅覚・障害や味覚障害が出ることもあるので、こうした症状が出たら新型コロナウイルスの感染を疑う必要があると思います。