タスク管理の定番「GTDメソッド」実践編。5ステップで誰でもできる
「Getting Things Done(GTD)」という概念が登場したのは、20年近く前のことですが、それ以来、生産性に関するブログやフォーラムで、幾度となく取り上げられてきました。 GTDは、デビッド・アレン氏が2001年、『仕事を成し遂げる技術:ストレスなく生産性を発揮する方法』という著書で発表したメソッド(邦訳:はまの出版、改訂版は『全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』二見書房)。アレン氏はその後、著書のアップデートをおこなっており、このコンセプトは現在も広がり続けています。 今回の記事では、このGTDを実際の生活で使う方法について紹介します。
まずは「GTDとは?」をおさらい
アレン氏のウェブサイトでは、GTDを「プライベートと仕事へのアプローチ法を捉え直す、生産性に関する個人的な方法論」と呼んでいます。 頭の中にあるアイデアや情報、ストレスが増えれば、すべきことを見極めるのが難しくなり、当然ながら、実行するのも困難になる。だったら、仕事を単純化すること、少なくとも、仕事に対する捉え方を単純化することが必要だ──。 GTDのベースになっているのは、こうした考えです。 もちろん、GTDの目的は、文字どおり「やるべきことを片付ける(getting things done)」ことです。何をやるべきかについて、持てる時間のすべてを使って考えることではありません。 GTDを実践するときには、頭の中を占めているゴチャゴチャを、まずは頭から取り出します。そして、それをひととおりチェックできる場所へと移して整理し、実行可能な決断を下します。 忙しすぎて、どこから手をつければいいのかわからなくなることが多い人にこそ、GTDはぴったりかもしれません。
GTDの「5つのステップ」
GTDという方法論は、本1冊分の説明が必要なほど複雑なものです。ですが、簡単にいうと、次の5つの主なパートに分けられます。 頭の中を跳ね回って、あなたの注意を四方八方にひっぱっているあらゆるものを捕まえる。そして、プランナーかドキュメントに、それらをすべて書き出す。一見すると関係なさそうなものも、飛ばしてはいけない。 書き出したものを明確にする。各タスクに目を向け、それを片付けるのに必要な、実行可能なステップを見極めて、それらを書き留める。そのタスクに関連する実行可能なステップがない場合は(2分でできることは、とにかくやるというルールもあるが、それさえもあてはまらない場合は)、そのタスクを捨て去ってしまえないか、誰かに任せられないか、あるいは後回しにできないかを検討してみる。 やるべきことを整理。「ToDoリストをつくる」「アクションアイテム(タスク完了のためのステップ)をカレンダーに追加する」「こまごまとしたタスクは誰かに任せる」「参考資料をファイルする」など、タスクの完了に向けた、タイムリーで体系的なアプローチを確立するのに必要なことを行なう。 整理したすべての内容を、こまめに検討し、定期的に見直す。たとえば、毎週月曜日に全体を見渡して、変更が必要なものがあれば修正し、完了したものがあればチェックをつける。あわせて「アフター・アクション・レビュー」を使うと、完了したこと、あるいは、これから引き続き取り組まなければならないことを、作業を進めながらしっかりチェックできる。 アクションアイテムを完了させるべく、集中して取り組む。あなたの手元には、タスクとアクションアイテムからなるリスト、日付と参考情報がまとめられたシステム、進捗状況を自分の目で確認する用のスケジュールがあるはず。これで必要なものはすべて揃っているので、あとは作業を開始して、タスクの完了に少しずつ取り組んでいく。