Tポイント消滅、20年史 存在感ピーク→急降下の時期はいつ?
「Tポイントはお持ちですか?」。買い物の精算時によく聞かれたこのセリフこそ、存在感のすごさを物語っていた。消費シーンに大きな影響を与えたTポイントが、2024年4月、20年超の歴史に幕を閉じた。03年に日本初の共通ポイントサービスとして始まり、強固に見えたそのビジネスモデルはなぜ崩壊したのか。ポイントコンサルティング事業の先駆者である岡田祐子氏が解説する。 【関連画像】17年9月にCCCMKホールディングス(CCCの連結グループ会社)が発表したプレスリリースには、「日本で最も支持されるカードを目指します」とある 2024年4月22日、「青と黄色のVポイント」(正式名称はVポイント)が誕生した。Tポイントと、三井住友カードの「Vポイント」が統合したのだ。「さよなら、Tポイント。」と自ら終わりを告げたそのTポイントは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)発の共通ポイントとして03年10月からスタートしている。 当時、同社はビデオレンタルなどを手がける「TSUTAYA」をFC(フランチャイズチェーン)展開していたが、この共通ポイント事業を開始。「1業種1社」を掲げ、各業界でトップレベルの企業を自陣営に巻き込む戦略だった。ちなみに開始時のプレスリリースでは「ポイントアライアンス」という言葉を使っている。 まず組んだのは約7700店舗を展開していたコンビニ大手のローソンと、約1万2000カ所のENEOSサービスステーションを擁した新日本石油(現ENEOSホールディングス)だ。なお、「Tポイントを使えるコンビニ」と言えば長きにわたってファミリーマートの印象が強いものの、同社がTポイント陣営に加わったのは07年だ。 消費者の生活にかなり密着したコンビニやガソリンスタンドと組むなどして地盤を固める中、Tポイントの存在感を一層強めたのが、10年に発表したヤフー(現LINEヤフー)との包括的業務提携だ。片や1カ月当たり約5213万人のユニークカスタマー数を誇る「Yahoo! JAPAN」、片や3500万人超の会員を有するCCC(いずれも当時の数字)。まさに巨人同士のタッグと評していいだろう。 また同じ10年にはカカクコムが運営する「食べログ」での口コミ投稿や新規店舗登録に対して、Tポイントが付与されるようにもなっている。