死刑囚が死刑確定後に手渡される「しおり」の衝撃内容…死刑に参加した刑務官が明かす
日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。前編に引き続き、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の秘密』を取り上げる。 【マンガで読む】死刑囚が死刑確定後に手渡される「しおり」の衝撃内容
死刑執行のあとに…
裁判を終え、死刑が確定した死刑囚は執行の日までどのような生活を送るのかだろうか。取材したM刑務官は語る。 「死刑確定後、その暮らしに必須なアイテムとなる『所内生活のしおり(死刑確定者用)』が手渡されます。そこには朝から夜までの一連の流れなど、拘置所内の生活について詳細に書かれている。死刑囚はこのしおりをもとに生活を送ることになります」 このしおりには、拘置所での暮らしに必要な情報がほぼ網羅されている。特筆すべきは、老年の者にも読めるようかなり大きなフォントが採用されていること、そしてすべての漢字にふりがなが付いていることだ。 「漢字交じりだと、『オレは漢字が読めないからルールがわからない』など言い訳して好き放題しようとする受刑者がいるので…。また、使ったことはありませんが、外国人の死刑囚が出た場合のために英訳バージョンも用意されています」
1人部屋の理由
■居室は単独室収容が原則 死刑囚は基本的に「単独居室」となっている。受刑者は雑居(複数人収容の部屋)に対して、なぜ死刑囚は1人部屋なのか。 これは、死刑囚の精神的ケアのためだという。死刑囚は死刑執行まで多くの時間を拘置所で過ごすことになる。死刑執行以外に出所が望めない生活は彼らの精神を蝕んでいく。高度なストレスを抱える死刑囚を雑居で生活させると人間関係でさらなるストレスが及ぶ可能性がある。その精神衛生上の問題から単独居室が採用されているのだ。 しかし、単独居室とはいえ死刑囚は定期的に居室を転出する必要があるという。 「長期的に同じ部屋で生活させると居室内で不正物による自傷・自殺行為を行ったり、果ては脱走のため工作を行ったりすることがあるため、不正防止と気分転換を兼ねて部屋の移動を行うことになっています」(M刑務官)