ベンツ、2635万円で登場!ゲレンデのEV「G580 with EQ Technology」にある別世界、次世代BEVにおける自動車産業界の中でのベンチマーク
各社の4輪駆動車の開発者らと意見交換をしていても、渡河性能を含めた本格的な4駆BEVの量産に向けたハードルは「極めて高い」という声を聞く。 そうした中でメルセデス・ベンツは、渡河走行を推奨はせずとも、メディア向け試乗会の場で渡河性能を試すシーンを用意して、G580の総合性能を強調している。 こうしたメルセデス・ベンツの技術開発の姿勢やマーケティング手法は、BEVをすでに製造販売しているメーカー、またはBEVシフトに向けて準備を進めているメーカー関係者にとっては、大きな衝撃であろう。
■強大なパワーもドライバーに緊張感なく では、オンロードでの走行どうか。走行したのはワインディング路など山間部の一般路であるため、「普段づかい」と「レジャー」を想定した走りの比較である。 G580は、加速しようとアクセルを踏み込むと、クルマ全体が「これから走り出そう」と、4輪の接地感が増す。いわば“セットアップする感じ”とでもいえる様相だ。 そこからの加速感は、3トン級の重量物がグイグイと動くという感じではなく、トルク感が十分にあるにもかかわらず、ドライバーが肩の力を入れるような緊張感はない。
力強く、かつスッキリとしてスイスイと走っていく。総じて“速い”のだが、ただ速いだけでなく、コーナーに入っても扱いやすい。ステアリングを大きく切らなくても、アクセル操作で旋回しているのがよくわかるからだ。 一方、ガソリンエンジンのAMG G63は、今回のような走行条件では、潜在能力を生かし切れない。 排気量4.0リッターのV8ツインターボ(最高出力430kW/最大トルク850Nm)は、街乗りでも扱いやすいが、本領を発揮するのは4000rpmを超えてから。そのため、コーナーリングをアクセル操作で曲がるというより、しっかりハンドルを切り込んで曲がるというイメージであり、G580とは大きく違う。