今振り返ると豪華すぎ!初代プレステ「おまけディスク」の思い出 強化データに名作ゲーム添付も…
■最強データの数々はまさに反則級?『チョコボの不思議なダンジョン』
PS全盛期に数々の名作RPG作品を世に送り出したスクウェアにあって、1997年に発売された『チョコボの不思議なダンジョン』も、その高いクオリティで多くのファンを魅了した一作だ。 ご存じ『FF』シリーズのマスコットキャラである「チョコボ」を主人公に、限られたアイテムのみを所持してダンジョンを攻略していく“ローグライクRPG”。その高い人気から、のちにシリーズ化もされている。 そんな本作に同梱されていたのが、『不思議なデータディスク』という名の「おまけディスク」だった。『ゼノギアス』の体験版や、『パラサイト・イヴ』、『双界儀』といった、同社が手掛ける新作ムービーを楽しむことができる。 しかもそれだけではない。この「おまけディスク」には、数々の名作タイトルで使うことができる特殊なセーブデータが同梱されていたのだ。 『ファイナルファンタジーVII』や『サガ フロンティア』など有名作品のセーブデータをダウンロードできるのだが、そのどれもが反則級の「強化データ」となっていた。本来、ゲームをプレイする上ではまず味わうことのできない、凄まじい状態を体験できることに驚いた。 キャラクターのレベルやステータスがカンストしているなんてことは当たり前。あらゆるアイテムをフルに所持していたり、隠しキャラがあらかじめ解放されていたりと、まさにやりたい放題……夢のようだった。 この「強化データ」を使い、一度クリアした過去の名作をあらためてプレイしてみた、というプレイヤーも多かっただろう。
■発売元の良さをこれでもかと凝縮…『R4 ーRIDGE RACER TYPE 4ー』
ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)が手掛けた大人気レースゲームの『リッジレーサー』シリーズ。なかでも特徴的な同梱ディスクで有名なのが、1998年に発売された『R4 ーRIDGE RACER TYPE 4ー』だろう。 PSの限界に挑んだハイクオリティなグラフィックは美しく、BGMも印象的でレースを大いに盛り上げてくれる。さらに、2つのコンテンツが収録された「おまけディスク(ボーナスディスク)」の内容も衝撃的だった。 まず、1つ目の『RIDGE RACER ハイスペックVer.』は、初代『リッジレーサー』に60FPS処理化などを施し、最適化を試みたものだ。記念すべき初代作品を現段階の最高スペックで遊べるのは、プレイヤーにとって嬉しい点であった。 そして、もう1つが『NAMCO CATALOGUE ‘98』である。これは1998年当時までにナムコが発売したPS作品のゲームカタログで、作品ごとにムービーや設定集を見ることができるうえ、『テイルズ オブ デスティニー』、『リベログランデ』といったいくつかのタイトルは、実際に体験版をプレイすることが可能なのだ。 初代作品のハイスペック化や、数々のナムコ作品を追体験できる内容など、“おまけ”と呼ぶにはもったいないほどのクオリティだった。発売元であるナムコのこれまでの歩みがギュッと濃縮された、まさに集大成とも呼べる非常に濃い同梱ディスクだったといえるだろう。 当時、多くの作品に同梱されていた「おまけディスク」。なかには今回紹介したもののような、メインコンテンツに負けず劣らずの存在感を放つ“おまけ”たちも登場していた。あらためて振り返ってみても、その凄まじいクオリティ、ボリュームには驚嘆してしまう。
創也慎介