【バレー】倉敷・大島杏花主将「V3はチームの垣根を越えて分かち合えるリーグでした。アタッカーに優しいセッターになっていきたい」 V3女子
●矢野ゆきの選手(アウトサイドヒッター)*コメントは24日のヴィアティン戦から ーーVリーガーになって環境の変化は感じる? 矢野:自分の目標が「誰かに夢を与える選手になる」ということなんです。 試合を見た小学生の女の子から…その子は習い事をしてるみたいなんですけれども、「プレーを見て自分も頑張ろうと思いました」っていうお手紙をもらって。ああ、自分がやりたかったのはこういうことなんだ、と思うことができました。 ーー地元倉敷での開催は? 矢野:職場の方とかも応援に来てくださって本当に力になりました。ああいった雰囲気の中で試合ができることに本当に感謝したいと思っています。 ーーVの選手になったことで芽生えたプライドなどは? 矢野:自分は身長が高くないですし、これまでスパイクとか攻撃面では少し自信が持てない部分もありました。 今は、それでもいかに点を取るかということを考えていますし、他の選手にはポジションを渡さないぞ、という気持ちでやっています。
●鈴木秀生監督 チームは前半戦で6連勝しました。ですが、やっぱりシーズン中盤になるとしっかり研究されまして、さてどうしたものかな、と。ちょっと壁にぶつかったところもありました。 そこから選手たちの頑張り、なんとかして勝っていくぞという気持ちが今日の結果に繋がったのかなと思って大変私も嬉しく思っております。 ーー優勝おめでとうございます。今の率直な感想は? 鈴木:素直に嬉しい気持ちでいっぱいです。しかしその反面、今後チームをどのように育てていくか、上のリーグでどのように戦えるのか、と考えています。 ここでの優勝は目標ではありましたが、また新しいスタートだと思っています。またしっかりチーム組み立てて、上のリーグでも頑張っていけるように。まだまだ挑戦していきたいと思います。 ーー今日の試合に向けては? 鈴木:「落とさなければ負けない」という気持ちでした。 私も学生の時にバレーをしていたのでいろいろ経験があるのですが、ここにきて今更どうのこうの言ったところで仕方がない、と。 負けて反省会をするよりは勝ってから「それでもあれがダメだったね」という反省会にしよう、と。悔いを残さず本気のプレーをやっていきましょうという話は選手たちにはしました。 ーー勝利につながったプレーは? 鈴木:これまでなかなかアルテミスさんの速い攻撃にブロッカーがついていけなかったのですが、今日に関してはしっかりついていけたのかなと思います。 シャットはそれほどなかったのですけれども、しっかり触って我々の攻撃に替える。それが上手くはまったのかなと思います。 ーー勝った中で見つかった課題は? 鈴木:まず、チャンスボールからの攻撃ですね。我々は攻撃力がそれほどあるわけでもなく、背が大きいわけでもなく、もうちょこまかと動いて相手の嫌がるチームにならなきゃいけないわけです。 だからこそ、チャンスボールをもらった時にどれだけ相手が困るような攻撃ができるか、それが結成当初からの課題になっています。 そこをもっと突き詰めてポイントに繋げていきたいなと思っています。 ーー開幕戦から連勝が続いて倉敷旋風を巻き起こしましたね。 鈴木:最初に勝ったことで選手たちの気持ちもわっとのりました。ある程度勝ち続けて、その勢いが落ち着いた時に連敗しました。その負けた時が我々の本当の力です。そう思っていましたし、そこで出た問題を直していければさらにチームは良くなるはずだ、と。 今回の大会でいろんな勉強させていただいてチームはものすごく成長しました。次に繋がる大会になったと思っています。 ーーVリーグに参戦して意識の変化や、地元の声などは? 鈴木:選手の考え方も今までの実業団のリーグとは、やっぱりガラッと変わりましたね。自分たちはプロの選手だ、という自覚が生まれました。 自分の行動ひとつでみんなに迷惑がかかることもありますし、周りのみんなに助けていただいているという意識を強く持つようになりました。 街で注目されることもありますが、それも選手のモチベーションを上げるためには良いと思います。もっともっと強くなって有名になって、チームを盛り上げて地域も盛り上げて、と。 ーーチームが目指すものは? 鈴木:近い将来なのか遠い未来なのかわからないですけど、上のリーグで戦えるのであればチームを引っ張っていってあげたいなという気持ちはあります。 ーー主将でセッター。チームを支えてきた大島キャプテンにはどんなことを要求してきた? 鈴木:彼女には攻撃について言ってきました。 「あなたのトスが100%ならそれはありがたいけれども、そこは70%でいいよ。その代わり、あなたが前衛の時はあなたもアタッカーだと思ってしっかりツーを打ちなさい」と。 「ツーをすることによって、それが決まらなくてもあなたに1枚ブロックがつくようになる。攻撃力のない我々のチームがいかに楽をしてポイントを取っていけるか、そういうところをもっと突き詰めてもっと考えてほしい。別にセッターが点を取ってもいいんだ。前衛で20点取ってもいい。そのくらいの考え方でやって欲しい」と。まだその途中ですが、これからもっと完成度を高めていきたいなと思います。 ーーV3のスタート時には他チームと知名度の差もあったと思います。どのような想いをもってこのリーグに挑戦した? 鈴木:リーグの前は「1勝でもいいから勝とうね」と。0勝15敗は覚悟していて、1勝でもできたらいいのかな、というイメージを持っていました。 最初は本当にチャレンジャーのつもりでやっていましたが、試合を重ねていくことによって相手のチームの癖も見えてきたり、我々も研究させていただいたり。 そして、勝つことによってファンの方々の声援が本当に1段、1段強く上がってくるのを感じまして、ああ、こういう世界っていいな、と。 こうなったら優勝を目指そう、胸張って倉敷でみんなに祝福してもらうんだ、と。 ーーこれからどういう活動をしていきたい? 鈴木:今までも、これからもそうなんですが、ファンの方々にとって身近な存在でありたいと考えています。子供たちが我々を目指してくれる、そんなチームを作って地域貢献、社会貢献をしていきたいですね。 ーーところで、監督の現役時代のポジションは? 鈴木:ミドルでした。まあ、僕らの時代はミドルとは言わずにセンターと言っていましたね(笑)