【バレー】V3女子の初代女王は倉敷アブレイズ。MVPに倉敷・田部咲来、得点王にアルテミス・小室祐里。4チームが結束した「最高」のリーグに幕。
バレーボール2023-24 V.LEAGUE DIVISION3 WOMEN(V3女子)が2月25日の最終戦(AGF鈴鹿体育館・三重県開催)をもって閉幕した。 最終日の第1試合はアルテミス北海道対倉敷アブレイズ。 この試合が事実上のV3女子優勝決定戦となった。 24日時点での首位アルテミスと2位倉敷は、勝利数でアルテミスが1つ上回り、ポイントで並んだ状況。すなわち最後の直接対決で「勝った方が優勝」となる。 トーナメントのファイナルにも等しい緊迫感の中、両チームには力強い声援が飛ぶ。 攻めのアルテミスと、粘りの倉敷。双方譲らない熱戦となったが、最終的に倉敷がフルセットの熱戦を制してV3女子の記念すべき初代、そしておそらく最後になるであろう女王の座を獲得した。 第1試合終了後にはカノアラウレアーズ福岡、ヴィアティン三重を含め、全4チームがコートに集結するサプライズ。 「V3女子最高!」の掛け声とともに全チーム合同の記念撮影が行われた。 この企画を発案したのはヴィアティン三重の黒川つづみ。 「V3は4チームだけ。ほぼ毎週、みんなが同じ会場に来ていてチームの垣根を越えて仲良くなっていった。選手入場でハイタッチをしてみたり、V3という枠の中で団結感ができていた。どんな結果に終わろうとも、最後にみんなで写真を撮りたいと思い、チームを通じて働きかけてもらった」 と、この素晴らしい企画が誕生した経緯を語ってくれた。 仕切り直しての第2試合はカノアが3-0でヴィアティンに勝利。ホームで1勝を届けたかったヴィアティンだが、その思いは来季に持ち越しとなった。 新しい出会いがあれば、去る者もいる。この試合をもってカノア・熊本比奈、賀谷明日光、ヴィアティン・草深ことみらVリーグを彩った数名の選手が引退。 試合後にはヴィアティン応援団から福岡へ向けて引退選手を称えるコールがあり、それにカノア応援団が応える形で双方のエール交換も発生した。 現行のVリーグが培ってきたもの、我々が試合会場に足を運び続けた理由を再認識したV3の最終戦。 その経験と歴史が新リーグ構想の中でもポジティブに活かされることを願ってやまない。
最終順位は以下の通り、個人賞と併せて列記する。 ・優勝 倉敷(15試合11勝4敗、32ポイント) ・準優勝 アルテミス(15試合11勝4敗、31ポイント) ・3位 カノア(15試合8勝7敗、27ポイント) ・4位 ヴィアティン(15試合0勝15敗、0ポイント) ・最高殊勲選手賞 田部咲来(倉敷) ・敢闘賞 小室祐里(アルテミス) ・最優秀新人賞 湊ひかり(カノア) ・得点王 小室祐里(アルテミス) ・スパイク賞 井澤天音(アルテミス) ・ブロック賞 井澤天音(アルテミス) ・サーブ賞 永澤詩音(アルテミス) ・サーブレシーブ賞 上地野乃香(カノア)
堀江丈
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