「どうしてこんなことになったのか…」中央大、不可解な失速で“まさかのシード落ち”…箱根駅伝まで2カ月、藤原監督が語る誤算「12位、大惨敗です」
「ふたつ、ハッキリしていることがあります」
箱根駅伝に向けて、「背水の陣」を敷かざるを得なくなった。 なぜ、こんな流れになってしまったのか? 今季、中大はトラックで良好な結果を残した。溜池は世界を目指せる実力があることを示したし、予選会、全日本と欠場した柴田大地(2年)は、日本選手権の3000m障害で2位に入った。1年生の岡田も関東インカレで入賞。中大の実力は青山学院の原晋監督も警戒するところで、出雲駅伝の時には「国学院、駒澤、青山学院、そして中央が絡んでくるんじゃないかな」と話していたほどだ。 しかし、駅伝シーズンに入って、中大が実力を発揮できていない。藤原監督は原因を探ろうと必死だ。 「私にとっても不可解なことが多いレースでしたが、ふたつ、ハッキリしていることがあります。まずは、先ほど話した通り、全日本に向けて別路線で調整してきた選手たちが機能しなかったこと。そしてもうひとつは、エース級の選手たちの足並みをそろえることが出来ませんでした。溜池は回復途上のなかでうまくまとめてくれましたが、柴田、そして箱根駅伝の予選会でチーム内トップだった白川(陽大・3年)が予選会のあとに発熱して、今回は走ることができませんでした。そして駿恭ですよね……。箱根では全員の足並みをそろえないと」 振り返ってみると、前回の箱根駅伝で感染症が蔓延し、シード権を逃してしまったことが、どこかで影を落としているような気がする。中大の関係者からは「やらなければならない」という切羽詰まった思いを、コーチ陣、そして学生からも感じる。 そのプレッシャーを陽のモノに転換できればいいのだが――。いまの中大は陰の方に引っ張られている気がしてならない。 この連鎖を断ち切るには、やはり箱根駅伝で結果を残すしかないだろう。 今年の11月、12月は、中大にとって試練の冬となる。 それでも、春から蒔き始めた種が、実をつけることを期待したい。
(「スポーツ・インテリジェンス原論」生島淳 = 文)
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