「どうしてこんなことになったのか…」中央大、不可解な失速で“まさかのシード落ち”…箱根駅伝まで2カ月、藤原監督が語る誤算「12位、大惨敗です」
まさかだった“エースの失速”
しかし、4区から誤算が重なっていく。4区の浦田優斗(4年)、5区の東海林宏一(4年)の調子が上がらず、この2区間で8位まで番手を下げてしまう。藤原監督は4区、5区で流れが途切れてしまったことを悔やむ。 「浦田、東海林は予選会に出場せず、温存という形になっていて、別路線で調整を進めていました。当然、ここで順位を上げて7区の吉居駿恭につなぐというプランを描いていたんですが――。ここで流れが悪くなってしまいました。ふたりの調子が上がらなかった理由を探っていかなければなりません」 それでも6区では1年生の佐藤大介が粘って8位でタスキをつなぐ。シード権ギリギリのラインだ。しかし、中大の7区は前回の箱根駅伝の7区で、区間賞を獲得した吉居駿恭が待っていた。ここで順位を上げる。誰もがそう思っていた。ところが――。 吉居は7位の日体大と並走する形となったが、ペースが上がらない。しかも引っ張るのではなく、後ろについていく形だ。小気味の良い吉居の走りが見られない。おかしい。 そうこうしているうちに、帝京大、立教大が迫ってきて、4人の集団となった。そして吉居が遅れた。 藤原監督にとっても、不可解だったのは、この吉居の失速だった。 「駿恭は、今年の2月の時点で、箱根駅伝の予選会は走らせないと決め、学生たちにもそれを伝えました。ロードは全日本からスタートで、ここに照準を合わせ、しっかりと練習も積み、前日刺激でもおかしいところはありませんでした。いったい、どうしてこうなったのか……。私も整理がついていない状態です」
「結果は12位、大惨敗です」
吉居は11位に後退し、8区の阿部陽樹(4年)にタスキを渡したときには、シード権ラインの8位帝京大とは1分05秒の差がついていた。ギリギリ、逆転可能なラインだったが、駅伝経験豊富な阿部も調子が上がらず、区間18位の走りで12位に終わってしまった。 事前の練習と、レース結果が結びつかない、不可解なレースだった。 レース後、中大の長距離ブロックのブログには藤原監督の厳しい言葉が並んだ。 「結果は12位と大惨敗を喫し、忸怩たる思いです。全日本に向けて作ってきたメンバーが全く機能せず、区間順位2桁台を連発しているようでは話になりません。(中略)2カ月後には箱根駅伝があります。 今抱いている不安や呆然とした気持ちを捨て、「新紅の挑戦」の通りチャレンジャーとして前を向いていかなければなりません。 もう誰かが謝ることなく、笑顔でゴールテープを切れるよう、チーム全員で努力していきます」
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