ダルビッシュ有、ファンへの粋なサプライズ 報道後に思わぬ反響も
カフェの店内にはアメリカから贈られたグラブや、その郵送に使われた段ボールまでが大切に展示されている。李さんに子どもが生まれ、お祝いのメッセージをもらった際の携帯画面もプリントして飾ってある。 それだけ熱烈なファンにとってソウルでの開幕戦はまさに千載一遇の機会だが、観戦できるかは別問題であった。李さんは「仕事の都合で」と言っていたが、韓国内向けに販売されたチケットは、報道によればわずか開始8分で完売した。李さんは見に行けない無念さをSNSに動画で投稿。ダルビッシュ投手の都合さえ良ければカフェに招きたいという言葉も添えたが「開幕投手なので、準備やメディア対応で忙しいかと思った」のが本音で、期待はしていなかった。来店は本当のサプライズだった。 ▽アイスカフェラテを飲みながら 店自慢のアイスカフェラテを注文してくれたダルビッシュ投手に、李さんは自分がどれほど熱心なファンであるかを熱弁した。
出産を控えた美來夫人の病院に付き添った際は、当時所属していたドジャースの背番号21のユニホームを着用。待合室のテレビで「妻に申し訳ない」と思いながらもワールドシリーズで投げるダルビッシュ投手の姿を見ていた。 2016年には念願だったアメリカでの観戦が実現。先発登板に備えてブルペンで投球する姿を近くで見ただけで感動のあまり号泣した。「邪魔しないのがファンの心だと思って」と声をかけるのは我慢したが、むせび泣く李さんを見たコーチが使用球をプレゼントしてくれた。 ダルビッシュ投手は一つ一つのエピソードを笑って聞き、店頭に飾られていた「BullPen Pitching 9―17―16」のシールが貼ってある思い出のボールにサインを書き込んだ。 店の裏からどっさりと持ち出してきたコレクションのユニホームにも快くサインをくれたという。結局、店には約1時間も滞在。李さんにとって夢のような時間だった。