「俳優が社会問題を直接語るのは難しくても……」磯村勇斗が映画を通じて描く未来
「俳優が社会問題を直接語るのは難しいですが、映画やドラマを通じて多くの人に問題を感じてもらうことはできると思うんです」。 磯村はエンターテインメントの力を信じ、だからこそ、こうした問題提起をする作品に積極的に参加しているのかもしれない。
「映画で地元に恩返しを」――磯村勇斗が挑むしずおか映画祭
磯村が映画を通じて向き合っているのは、社会問題だけではない。彼は、育った故郷・静岡への恩返しを強く意識している。その思いから立ち上げたのが「しずおか映画祭」だ。 映画への情熱と、地元への愛が詰まったこのプロジェクトは、彼自身の大きな挑戦でもある。
「僕を育ててくれた静岡に、何か恩返しをしたい。映画は僕にとって特別な存在だから、その力で地域に貢献したいんです」と磯村は語る。 10月7日には静岡県庁で、静岡県知事からふじのくに観光大使の委嘱状を受け取り、「静岡を世界に発信していきたい」と力強く決意を表明した。彼が目指すのは、地元静岡と映画文化の新しい融合だ。
初開催に向けた熱い思い
2024年11月4日(月・振休)、沼津市民文化センター大ホールで、いよいよ「しずおか映画祭」が幕を開ける。 初めての開催となるこの映画祭では、磯村の盟友である北村匠海や、俳優・アーティストの、のんもゲストとして登場し、静岡にゆかりのある映画作品がメインに上映される。 磯村にとって、この映画祭は地元への感謝と映画への熱い思いを詰め込んだ特別なイベントだ。
「映画は僕の人生の大切な瞬間にいつも導いてくれた存在です。でも、最近は映画館が減り、みんなで映画を観ることが人々の日常から遠ざかっていると感じます。 だからこそ、映画を通じて地域をもっと活気づけたいと、この映画祭を始めました」と磯村はその思いを語る。
静岡から世界へ、広がる夢
磯村が見据えるのは、静岡だけにとどまらない。 「まずは、地元の人たちに映画をもっと身近に感じてもらいたい。そして、そこから映画文化を広げていきたい。 その波が静岡を超えて、日本中、そして世界に広がっていけば最高だなと思っています」と語る彼の表情には、未来を信じる確かな意志が感じられる。 磯村の夢はさらに大きい。「すでに各地域で映画祭を立ち上げている方々もいらっしゃるので、全国の俳優や映画関係者がもっと連動して、日本全体で映画文化が盛り上がる未来を夢見ています」。 まずは、しずおか映画祭を地元の静岡に根付かせ、将来的には国際映画祭へと発展させたいというビジョンを抱いている。静岡から始まる挑戦が、日本、そして世界へと広がることを目指しているのだ。